足の悩み、一挙解決
足の老化にいちはやく気づく(足のクリニック表参道院長 桑原靖) 【PART2】第2回
◇片足で立つ力をキープする
「大股でゆっくり歩くことができない」と「片足立ちをするとフラフラする」は、いずれも、どちらか片方の足だけでは体を支える力が不足しているために起こります。二足歩行の基本は、片足バランスですから、いつまでも自分の足で歩いて活動的に過ごしたいと思うならば、片足で立つ力はぜひキープしておきたいものです。
歩くときに不可欠なのが、腸腰筋(ちょうようきん)という腰椎から骨盤にかけて左右についている非常に大きな筋肉です。これは脚を前に出すのに必要な筋肉で、骨盤を水平に保ち、姿勢を正しい位置に維持する重要な役割を果たしています。腸腰筋が衰えると歩く歩幅が小さくなり、姿勢も悪くなって、足腰に負担がかかり、老化が促進します。
腸腰筋を鍛える運動
腸腰筋を鍛えるには、椅子に腰かけ、両手を椅子の横に添えて、膝を曲げた状態で片足を自分の可動域の最大限まで上にあげて1~2秒キープします。背骨をまっすぐに保ち、脚を上げるときは上体をそらさないよう注意します。筋力には個人差があるので、おなかの奥の方の筋肉に疲れを感じるくらいまでを2~3セット行うようにしましょう。(左右それぞれ10回を2~3セットが目安)。
筋トレだけでは筋肉がかたまってしまうので、ストレッチもセットで行います。腸腰筋のストレッチは、膝をついて立ち、片方の足を前に出し、骨盤をまっすぐ正面に向けて、股関節の付け根を前に出して、45秒~1分くらい、じわーっと伸ばします。これも左右2~3セットが目安です。膝をつくと痛い人は、タオルやヨガマットなどを敷いて行いましょう。
◇足裏トレーニングで安定感を高める
足裏を鍛えるトレーニング
立ったときの安定感を高めるためには足裏の筋肉も重要です。足裏を触ってみて、ふわふわと柔らかい場合は、明らかに筋力不足ですから、足裏の筋肉を鍛えましょう。
椅子に腰かけてひざを直角に曲げ、足の指を根元から曲げてグーを作ります。できるだけ足指の根元まで強く握るのがコツです。次に、足を少し前に出して45度くらいの角度をつくり、指先を床につけたままグーに握ります。ふくらはぎに力を入れずに行い、握る瞬間に足首を上にあげないよう注意します。いずれもにぎった状態で5秒キープを10回、2~3セットが目安です。最初は足をつってしまうかもしれませんから、無理せず徐々に回数を増やしていくようにしましょう。
全国から患者が殺到するクリニック
「足のクリニック表参道」院長。2004年埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外来医長、フットケアの担当医として勤務。13年東京・表参道に日本では数少ない足専門クリニックを開業。専門医、専門メディカルスタッフによるチームで、足の総合的な治療とケアを行う。
日本下肢救済・足病学会評議員。著書に「元気足の作り方 ― 美と健康のためのセルフケア」(NHK出版)、「外反母趾もラクになる!『足アーチ』のつくり方」(セブン&アイ出版)など。
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(2020/10/14 06:00)