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体組成を3次元映像で=タニタの新人ら開発

 ◇元素をモチーフに
 相談を受けた博報堂アイ・スタジオ総合デジタルマーケティング2部インタラクティブディレクターの村田俊英さんは「体重が重かったり、体脂肪が多かったりする人にも楽しく感じられる作品を作りたかった」と振り返る。体の筋肉や骨、水分、脂肪をどうビジュアライスし、どんな人に対してもきれいなデータで表示できるか。思い付いたのが「エレメント(元素)をモチーフにして、自分の体を見せる」という発想だ。
 仕組みは、フィットネスクラブや医療機関などで使われているプロフェッショナル仕様の体組成計「MC―980U Plus」で計測。そのデータから3Dエレメントが形成され、モニターに表示される。モニターに現れるのは多面体で、人によって形や色が異なる。赤いと基礎代謝が高く、白いブツブツした部分は内臓脂肪を示す。筋肉量が多いほど多面体の面が増え、丸に近くなる。
 還暦を過ぎ、駅の階段の昇り降りがつらい記者も試させてもらった。ちょっと緊張しながら、体組成計に乗る。案の定と言うべきか、モニターに映された形はゆがんでいた。
 「内臓脂肪が少ないのはよいが、筋肉量も少ない」と中谷さん。がっくりしたものの、確かに面白い。測ることへの抵抗感をなくし、自分の体を好きになってもらう―。そんな関係者の思いが実現する日も近いかもしれない。

                           (編集委員・鈴木豊)

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