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がんでも仕事を続けたい
~上司と部下の対話が大事~

 ◇サポートする人たちがいる

 ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループのバイスプレジデント濱田いずみさんは、病気の部下と治療などに関して一対一で話し合ったことがある。「部下は私の言葉を違う意味に捉えていた」。その経験を踏まえて「人事担当者ら、もう1人を入れて話し合った方がよかったのかな」と言う。

 2022年秋、国際的なプロジェクトで米国に出張する直前に病気を発症した。相談した上司は「体の方が大事だから治療に専念してほしい」と言ってくれた。濱田さんは出張を取りやめたが、プロジェクトは成功。「自分から正直に話すことが大事だ。サポートしてくれる人たちがいるから。日頃から上司や同僚たちとしっかり話ができる関係を築いてほしい」と強調する。

 一般社団法人「CSRプロジェクト」代表理事の桜井なおみさんは、30代でがんにかかった経験を基に支援活動を始めた。桜井さんが関わる株式会社「キャンサー・ソリューションズ」では、がんの患者が働いている。

 「『病気のために周囲に迷惑をかけてしまう』という気持ちになるかもしれない。でも、そうではない。みんなで職場をつくっているのだから、頼っていい、すがっていいのだと気持ちを切り替えてほしい」

 桜井さんはこう話すとともに、「上司が『良かれ』と思って対応しても、部下が『言っても無駄だなあ』と感じることがある。上司も大変だが、しっかりマネジメントをしてほしい」と付け加えた。(鈴木豊)

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