早期乳がんの先進治療=切らずに治す選択―陽子線
◇主体的に治療の選択を
菱川センター長は「今後は、陽子線が医師と相談して決定できる治療法の一つになれば」と期待を込める。「がんは治す気持ちを持って治療に取り組むことが、非常に大事です。治療法をよく考えて自らが選択する時代です」
ただ、陽子線治療は現在、小児腫瘍の一部を除き先進医療に指定されており、照射は健康保険適用外となる。
医療サービスを目的に施行する「メディカルツーリズム」の普及を目指している同センターには温泉宿泊施設も隣接し、国内では遠く北海道から来る人もおり、海外では中国からの患者も多い。患者のために可能な限り待機期間を減らし、早く治療に取りかかれるよう体制を整えているという。
他にも、頭頸部(けいぶ)や肺、肝臓といったさまざまながんの治療を手掛けていて、中でも膵臓(すいぞう)がんは、陽子線治療で一定の効果を上げている。
菱川センター長は「将来は大学病院との共同研究も視野に入れ、がん治療の幅を広げていきたい」と抱負を語っている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2016/09/13 15:01)