薬でコントロール =若い女性に多い膠原病―全身性エリテマトーデス
◇薬で生存率が向上
SLEの原因は分かっていないが、遺伝因子と環境因子が考えられる。また、患者の9割が女性で、特に20~30歳の女性に多く、高齢者では男女差が少なくなることから、女性ホルモンも何らかの影響を及ぼしているとみられている。病態の解明はかなり進んでいるという。
治療は、自分を攻撃する過剰な免疫反応を抑えるステロイド剤(副腎皮質ホルモン)が使用される。症状の程度で薬の量が異なり、ステロイド剤の効果によっては免疫抑制剤を使用することもある。
「症状が重い場合は、入院した上で、ステロイド剤や免疫抑制剤を点滴投与するパルス療法を行います。副作用を防ぐ治療も並行します」
新しい免疫抑制剤の登場で、SLEはしっかりコントロールできる疾患になってきた。現在、10年生存率は95%以上まで向上し、中には薬が要らなくなるほど回復するケースもあるという。
「治療は長期にわたりますが、急性期を過ぎれば日常生活も支障なく送ることができ、妊娠も望めます。原因不明の熱が長く続き、顔の発疹やこれまでにない脱毛、関節痛などが気になれば専門医を受診してほしい」と佐野診療部長は早期発見・治療の重要性を強調している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2016/09/30 16:03)