薬でコントロール =若い女性に多い膠原病―全身性エリテマトーデス
全身の関節や臓器などに多彩な症状を引き起こす全身性エリテマトーデス(SLE)は膠原(こうげん)病の一つで、厚生労働省が特定疾患に指定する難病だが、近年の新しい治療薬の開発で症状のコントロールが可能になってきた。兵庫医科大学病院(兵庫県西宮市)リウマチ・膠原病内科の佐野統診療部長に聞いた。
(2016/09/30 16:03)
◇蝶形紅斑が特徴的症状
人の体には外部から侵入する異物(抗原)に反応して抗体で排除しようとする免疫システムがある。SLEは免疫システムが自分の細胞や組織を外敵と誤認して攻撃し、全身の細胞や臓器に炎症を引き起こす疾患だ。
国内の患者数は約10万人。症状はさまざまで、顕著な症状が頬から鼻に蝶(ちょう)が羽を広げたような形が表れる蝶形紅斑だ。発熱や全身倦怠(けんたい)感、手指の腫れや関節炎、口内炎や脱毛に加え、内臓や血管、中枢神経などに炎症が生じることもある。
「中でもループス腎炎は、症状が進行すると腎不全を起こし透析治療になることがあります」と佐野診療部長は言う。