治療・予防

色を識別しにくい「先天色覚異常」
早期に知って、将来に向けた対策を


 ◇増える小学校での検査再開

 小学校の色覚検査が任意になってから、就職時の職種や資格による色覚検査で初めて自分の色覚異常を知り、思わぬ不採用や目指していた資格を断念せざるを得ないケースが増えている。現在、日本眼科医会の呼び掛けによって多くの小学校が検査を再開し、中村医師も「将来に向けた備えができる」と期待する。

 眼科の色覚検査には、色のモザイクから数字を読み取らせて色覚異常の有無を調べる「色覚検査表」と、15色のパネルを順に並べさせ、色覚異常の程度を調べる「パネルD―15」、色光の色合わせで正確に色覚異常を診断する「アノマロスコープ」などがある。検査用ではないが、同大学病院では日常で誤認しやすい色を知る「色の確認表」も参考にする。

 「微妙な色で誤認しやすいと感じたときは、見た目ではなく色以外の情報で確認するなど、早くから慣れておけば回り道をしなくて済みます」と中村医師。「先天色覚異常は進行しないですし、視力にも影響しません。自分の個性として捉え、将来のための前向きな準備をしてください」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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