治療・予防

色を識別しにくい「先天色覚異常」
早期に知って、将来に向けた対策を

 遺伝により色を正確に識別できない「先天色覚異常」は、日本では男性の5%弱、女性の場合は0・2%ほどに見られるという。東京女子医科大学(東京都新宿区)非常勤講師で、同大学病院眼科医師の中村かおるさんは、「大人になるまで自分が色覚異常であることを知らないと、憧れだった職業を途中で断念せざるを得なくなることがあります。早期に色覚異常を知り、事前に対策を準備しておくことが大切です」と強調する。

 ◇色を感じる細胞の異常

 目に見える色は光の3原色の赤、緑、青の組み合わせで作られている。目の中の網膜にはL錐体(赤)、M錐体(緑)、S錐体(青)と呼ばれる色を感じる三つの錐体細胞があり、このうちのいずれかが通常と異なっていると、色の感覚が変わり、色を認識しにくくなる。

 3種類の錐体細胞のうち、1種類しか持っていない場合を1色覚、2種類しかない場合を2色覚、三つともあるが機能が低下している場合を異常3色覚と呼ぶ。さらに異常のある錐体により、赤は1型、緑は2型、青は3型と分類される。大半は赤緑(せきりょく)といわれる1型か2型の2色覚で、1色覚や3型色覚は非常にまれだという。

 色覚異常はモノクロの世界だと誤解されやすいが、感覚が異なるだけで色は感じる。ただ、色の面積が小さい、彩度が低い、暗い、などの悪条件が重なると色を間違えやすくなる。「程度もまちまちで、生まれつきの感覚なので本人は違和感がなく、親も気付きにくいのが特徴です」と中村医師は話す。

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