教えて!けいゆう先生

医師の「様子を見ましょう」の真意
経過観察は大切な医療行為

 ◇メールや電話を嫌がる理由

 逆に、本人を診察することなく「経過観察」という医療行為を選択することは決してできない、というのも、みなさんに分かっておいていただきたいことです。

 私のブログにはよく、「1週間くらい前から食後に下腹が痛いんです。病院に行った方がよいでしょうか?」といった相談が送られてきます。勤務中に、かかりつけの患者さんから電話で、「今朝から少ししんどいのですが、外来に行った方がよいでしょうか?」と聞かれることもよくあります。

 こういう質問をされて、「病院に行かなくても大丈夫ですよ」と答えることはまずありません。私には、本人を診察せず、本人の語る主観的な情報だけを頼りに「経過観察」という医療行為を行うことが可能とは到底思えないからです。

 よって私の答えは、「不安なら病院に行って相談してください」「外来に来て一度診察させてください」しかありえません。「私は診察もせずに医療行為を提供するだけの責任を負うことはできません」という意味です。「経過観察」とは、そのくらい重要な一つの医療行為である、ということを分かっておいてほしいと思います。


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