白内障治療に新しい流れ
レーザーによる新療法も
▽進行例への治療に期待
「フェムトセカンドレーザー白内障手術(FLACS)」では、従来は医師自身の手で行っていた切開作業を、コンピューターで事前に設定した大きさで正確な位置に行うことができるため、プレミアムIOLの効果を最大限に引き出すことが可能だ。
FLACSの施術前には患者の水晶体を立体的に撮影して、患者ごとの治療の設計図を詳細に決めている。常岡名誉教授は「この映像から角膜を切開する位置や角度まで正確に決められるので、術後の傷口の経過も順調です」と強調する。水晶体内の核を砕く際も、その硬さに応じた砕き方が設定でき、患者への負担を最小限に抑えられる。
FLACSなら、症状が進行して水晶体が硬くなった場合や、病気やけがで水晶体の支えが弱まり、手術中に揺れやすい状態になっていても、治療可能だという。
ただ、FLACS導入施設は全国で50程度しかなく、治療費も保険適用外で施設によりばらつきがある。このため、常岡名誉教授は「メリットが大きい手術ですが、受ける際は医師とよく相談した上で決めてほしい」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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(2018/09/06 10:57)