Dr.純子のメディカルサロン

人事評価、ストレスになっていませんか
~かえってモチベーションを下げてしまう現実~ 第24回


 ◇上司の資質に問題も

 社員が評価に不満を抱えていることに気付いていない、あるいは、気付こうとしない企業が少なくないことも問題です。こうした問題があることを企業側に伝えても、「本人が目標設定し、それを達成できたかどうか、上司と話し合っているはずです」という言葉が返ってくることがほとんどです。

 しかし、社員が納得し切れていない場合がかなりあると企業側が気付かないと、問題解決ができません。というのは、多くの会社の評価は2次評価、3次評価までありますが、1次評価は直属の上司が行うことが一般的で、その方の資質が問題ということもあるからです。

 例えば、ある企業で上層部の受けもよく、仕事も業績も申し分のない女性の管理職がいました。ですが、その部署ではメンタル不調者が多発していました。かなり感情的な方で、評価がその時の気分で変わったりするので、部下はその影響を受けて不満を抱えていました。

 ところが、この管理職女性は上層部には全くそうした感情的な部分を見せません。なので、上層部の信頼が厚く、企業側に部下の不満は見えてこなかったのです。その後、360度評価(上司、同僚、部下などによる多面評価)を行ったところ、その管理職の女性の問題点が見えてきました。


 ◇フィードバックの重要性

 では、問題を解決するには、どうすればいいのか。

 評価される側としては、評価に対して納得がいかない場合、それを「今回だけは」とか、「まあ仕方ない」とか、やり過ごさないことでしょう。その上司が翌年、うまく異動してくれればと思っていると、そうならずに、不満が蓄積して、ストレスもたまることがあるからです。また、いよいよ限界と思っても、「なぜ最初に言わないのか」と言われかねず、言い出せないケースもあります。

 企業側としては、上司がきちんとフィードバックをしていないことと、部下がフィードバックをしてほしいという働き掛けをしていないことによって、問題が起こるということに気付き、それを改善していくことが必要です。中には、部下からフィードバックを求められても、きちんと対応しない上司というケースもありますが、これは論外でしょう。

 こうした問題の根底には、上司自身も適切なフィードバックを受けずに仕事をしてきたという経緯もあるのだと思われます。フィードバックのやり方は、上司に任されている場合が多いようです。今後、評価不満ストレスを改善するために、納得のいく評価フィードバックの方法のシステムづくりや研修なども必要かと思われます。

(文 海原純子)

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