教えて!けいゆう先生

急性アルコール中毒、搬送の実態
医師が忠告すべきこと

 ◇119番の注意点

 泥酔者の搬送例の中で、路上で倒れているところを通行人が119番した、というケースも少なからずあります。こうしたケースで、救急車が到着した際には通報者がすでにおらず、目撃情報が得られず、救命士や私たち医師が困るケースもあります。

 路上で倒れている方をほっておくには良心が咎めるが、かといってお世話をしたいわけでもない、という方が多いのかもしれません。しかし、倒れていた時の様子や、救急車が到着するまでの体の変化など、重要な情報は救急要請した人にしか分かりません。できれば、救急車到着までご本人のもとで待機していただき、救命士の方々に引き継ぐ形をとっていただけると助かります。

 ◇多量飲酒は命に関わる

 東京消防庁によると、急性アルコール中毒での救急搬送は、同庁管内だけに限っても年間1万6138件(平成28年)あります。特に多いのは12月で、平成28年は東京消防庁管内だけで月間1823人が急性アルコール中毒で搬送されています。また、生命の危険が高いと判断された重症例が46人いることも分かっています。

 年代別に見ると、男女ともに20歳代の人数が群を抜いて多く、全体の4割以上を占めています。未来ある若い方々が命を奪われたり、重篤な後遺症を負ったりすることはあってはなりません。急性アルコール中毒は、飲み方さえ気をつければ、誰もが予防できる疾患です。

 これから忘年会や新年会が続く時期に入りますが、くれぐれもこのことに注意し、組織全体として適量飲酒を心がけていただきたいと思います。(守秘義務の観点から紹介事例の内容を一部改変しております)


(参考)

「他人事ではない「急性アルコール中毒」~正しいお酒の飲み方で、楽しい年末を~」(東京消防庁)
「アルコール関連問題」(特定非営利活動法人アスク )

  • 1
  • 2

教えて!けいゆう先生

横浜市立大学医学部医学科同窓会 倶進会