教えて!けいゆう先生

医療の疑問はググるべき?
意外に知らない検索エンジンの仕組み

 みなさんがもし医療に関して疑問を持ったら、まず何で調べようと思いますか。検索エンジンを使って検索しよう、と思う方が多いのではないでしょうか。日々患者さんと接していると、インターネットで得た医療の間違った情報を、正しいと思い込む方が非常に多いことに気づきます。検索エンジンは、疑問の答えが即座に得られる点で非常に便利なツールです。しかしインターネットには、誰もが何の校閲も受けず、無制限にどんな文章でも公開することができます。中には、私たち医師が見れば「とんでもない誤り」だと瞬時に分かるような情報もたくさんあるのです。 今回は、検索エンジンで医療に関する情報を検索する時の注意点や、陥りがちな誤りについて解説します。

 ◇上位表示は正しさを保証しない

 「検索エンジンで上位に表示されるものは、正しく信頼性の高い情報だ」と誤解している人が多くいます。実際には、検索エンジンの順位と、その情報の医学的な正確性の序列は関連しません。なぜでしょうか。その理由は二つあります。

検索上位に出てきても、信頼すべき医療情報とは限らない

検索上位に出てきても、信頼すべき医療情報とは限らない

 ◇アルゴリズムの性質

 一つは、検索エンジンのアルゴリズムの性質です。検索エンジンは、ユーザーが入力した単語の組み合わせから検索意図を推測し、独自のアルゴリズムで順位を決めて結果を表示しています。

 このアルゴリズムは公開されていませんが、入力したキーワードがどのくらい記事に含まれていて、どのくらいきっちり説明されているか、といった記事の内容や、ユーザーのページ滞在時間(じっくり読んでいる=検索意図を満たしている)、そのページへの外部からのリンク数(信頼性の高いサイトからのリンクがある=信頼性の高い情報が含まれるページである)といった蓄積されたデータが加味されていると考えられています。

 こうした検索順位を決定するための因子は200種類以上あるとされ、このおかげで、私たちの疑問は検索エンジンによってかなり正確に解決され、日々の生活に欠かせないものになっているはずです。

 しかし残念ながら、医療に関して書かれた記事の内容が、医学的に、あるいは倫理的に正しいかどうかを検索エンジンは判定することができません。専門性の高い情報の中には、その道の専門家でなくては正しさの判断が難しいものが多くあるからです。

 実際、内容が医学的に不正確であるにもかかわらず、キーワードについて丁寧に説明され、かつ読者がじっくり読みたくなるような上手な文章が書かれた記事は、上位に表示されています。昨年、一部のキュレーションサイトが、ユーザーに健康被害を与えかねないほどずさんな内容の記事を大量に公開していたことが問題になり、そのいくつかが閉鎖に追い込まれました。

 それ以後、アルゴリズムが何度か修正され、病名や症状名での検索では医療機関や公的機関のサイトが上位に表示されやすくなっています。しかしながら、医師の立場から見れば、まだまだ危険な情報が上位に表示されるケースが多々あるのが現実です。

  • 1
  • 2

教えて!けいゆう先生