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健康診断では異常がないのに、実際には糖尿病を発症している人が少なくないことが指摘されている。こうした「隠れ糖尿病」を見つけるには、食後に血糖値が大幅に上昇する「食後高血糖」の有無を調べる必要がある。東京医科大学病院(東京都新宿区)糖尿病・代謝・内分泌内科の小田原雅人主任教授に話を聞いた。
健康診断で「異常なし」でも安心は禁物
▽心筋梗塞の危険も
隠れ糖尿病とは、既に糖尿病になっているにもかかわらず、健康診断で測定される空腹時(食前)血糖値には異常がないため見逃されている糖尿病を指す。その多くは、空腹時血糖値は正常でも、食後に血糖値の上がる食後高血糖が見られるタイプだ。欧米人と比べてインスリンを分泌する能力の低い日本人は、食後高血糖を示す糖尿病になりやすいという。
「健康な人でも食後に血糖値は上がりますが、140mg/dLを上回ることはありません。しかし、健診では異常がないのに食後の血糖値が糖尿病の基準値(200mg/dL)を超えている人や、糖尿病予備軍の値(ブドウ糖負荷試験の負荷後2時間値が140mg/dL以上200mg/dL未満)を示す人は少なくありません」と小田原主任教授は説明する。
食後高血糖を示す糖尿病患者は心筋梗塞や脳卒中のリスクが高いという。また、糖尿病予備軍でも食後高血糖を示すタイプでは、心筋梗塞などのリスクが健康な人の2倍であるとの報告もあり、小田原主任教授は「予備軍でも安心はできません」と話す。
▽急に痩せた人は要注意
では、どのような人が注意すべきなのか。まず、糖尿病の最大の危険因子である肥満の人や、家族に糖尿病患者がいる人、40歳以上の中高年は要注意だ。また、肥満だったが急に痩せたという人は非常に危ないという。
隠れ糖尿病を見つけるには、血糖測定器で食後の血糖値を測定する方法が最も正確だが、より簡便で安価な方法として小田原主任教授は「尿糖試験紙」の使用を勧めている。これは、試験紙に尿を掛けると尿糖がある場合には色が変わるというものだ。尿糖試験紙は薬局やドラッグストアなどで購入できる。
小田原主任教授は「もし尿糖が陽性の場合は、医療機関で詳しい検査を受けてください。糖尿病であっても、早めに治療を開始することで合併症のリスクを下げることができます」と話し、隠れ糖尿病の早期発見の重要性を強調している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/04/08 11:00)
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