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体の左右のどちらかに赤い斑点と水膨れが帯のように現れ、痛みを感じるのが帯状疱疹(ほうしん)だ。通常は2、3週間で治るが、油断ができない怖い病気でもある。ある女性は80代前半で発症、いったん治ったものの、寒い時期になると「顔が焼け付くように痛い」と訴えている。東京都内でセミナーを開催した専門医は「日常生活にも大きな影響を及ぼす。もっとこの病気の実態を知ってほしい」と強調する。
胸に赤い発疹が生じた帯状疱疹
◇患者は年間約50万人
帯状疱疹は年間、約50万人が発症するといわれ、男性より女性が多く、60歳前後によく発症する。
香川県や宮崎県などにおける研究や調査によると、水痘(水ぼうそう)が流行すると、帯状疱疹の患者が減る。水痘患者が減る夏の時期には、帯状疱疹が増えるという逆比例の関係にある。水痘と帯状疱疹のウイルスは同じだ。
このウイルスは初感染後に水痘を引き起こした後も、長期間、神経節に潜伏し、加齢などにより免疫力が低下すると帯状疱疹を発症させる。
昔は、自分の子どもや孫が水痘にかかると、「ブースター効果」と言って、本人の免疫力が活性化された。現在は核家族化が進み、その機会が減った。さらに、水痘ワクチンの定期接種化により水痘患者は減るが、帯状疱疹の患者が増加することが予想される。
帯状疱疹の周知度を高めようと開催されたセミナー
◇数百例の診療から
数百例の診療に当たってきた獨協医科大学医学部の山口重樹主任教授は「帯状疱疹の痛みは強く、長引く可能性がある」と話す。
同大医学部では、初診の患者に対しては問診に約1時間をかける。チェックするのは、「痛みの強さ」や「生活への障害」「抑うつと不安」「自己肯定感」などだ。
例えば、「痛みの強さ」については、10段階で評価する。山口教授は「国際疼痛学会の定義によると、痛みは心身ともに影響を与え、生活の質(QOL)を著しく悪化させる」と指摘する。
(2019/09/12 07:00)
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