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みなさんは病院に行く時、どんな準備をしますか。病院でスムーズな診療を受けるためには、上手に準備をしておくことが大切です。今回は、病院に行く時の準備について簡単に解説しましょう。
おくすり手帳、過去の検査結果を持ち、コートなどは診察室に入る前に脱いでおきましょう
〔1〕どんな服装で
患者さんを診察する際、比較的時間がかかるのが、患者さんの服の脱ぎ着です。特に寒い時期、ご高齢の方は何重にも重ね着をしていることが多く、その脱ぎ着に難渋する方も少なくありません。
基本的に、診察する時は症状のある部分を露出していただく必要があります。例えば、「おなかが痛い」という方がいらっしゃれば、おなかを直接見たり、触ったりしなければなりません。「便に血が混じる」という方がいらっしゃれば、お尻を露出していただき、肛門をしっかり診察する必要があります。
◇スムーズに診察
おなかを診察する際、患者さんがワンピースだとおなかを露出するのが大変ですし、肛門を診察する際、タイトなガードルやタイツをはいていると、脱ぎ着に苦労することがあります。
また寒い時期に、コートから腹巻きまでしっかり防寒していると、診察に時間がかかり、お互い大変なこともあります。病院に行く際には、症状のある部分を診察してもらいやすい服装にするとともに、診察室に入る前にコートを脱いでおく、腹巻きを取っておくなど、スムーズに診察に入れるよう準備をしておくのがお勧めです。
もちろん、寒い時期に待合室で無理に薄着で待ち、体調を崩しては本末転倒です。可能な範囲で構いませんので、診察されやすい準備をしておくと有利、とお考えいただければと思います。
〔2〕お薬手帳の効能
病院に行くと、医師から必ず「今飲んでいる薬」を聞かれます。ご高齢の方の場合、飲んでいる薬が多く、全てを暗記するのが難しいケースもあるでしょう。お薬手帳を出して医師に見せれば、自分で覚えておかなくても簡単に情報提供できます。
お薬手帳の効能は、それだけではありません。
医師に必ず聞かれる「既往歴」、すなわち「これまでどんな病気をしたことがあるか」も、お薬手帳によってある程度伝えることができる、という点です。
◇病歴を知るきっかけに
飲んでいる薬の名前を見れば、どんな病気の治療中であるかが分かりますし、「それがどの程度悪いか」まで分かることも多いからです。
医師が薬の名前を見て、飲んでいる理由が分からなかった時は、「なぜその薬を飲んでいるのか」を患者さんにピンポイントで質問できます。それがきっかけで、患者さんが自分で説明するのが難しかった過去の病歴を医師が知ることもできるのです。
〔3〕過去の検査結果
過去に受けた血液検査や心電図検査などの結果をお持ちの方は、まとめてファイルに入れておき、求められた時に提示できるようにしておくのがお勧めです。
新しく受けた検査の結果が正常範囲から外れていたとしても、それが「今回起こった変化なのか、もともとある異常なのか」は分かりません。特にご高齢の方の場合、体は加齢による変化を起こしています。たとえ病的でなくても、検査の結果は正常範囲から外れていることはよくあるのです。
例えば、ある検査の結果が「異常値」であっても、2年前の検査を見て今とほとんど同じであると知ることができれば、「今回現れた症状とは関連性が低い」と推測することができます。
◇重要な判断基準
もちろん、過去に受診した医療機関に行く場合は、検査結果の持参は必要ありません。過去のカルテを参照すれば分かるためです。しかし、初めて行く医療機関の場合は、過去の検査結果が医師にとって重要な判断基準になることもあります。受診時に、必ず持参するのがお勧めです。
以上のような準備によって、診療はずいぶんスムーズになります。病院を上手に利用するためにも、ぜひご参考にしてくださればと思います。(医師・山本健人)
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