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冬場の食中毒に注意 
ノロウイルス、感染防止・予防対策

 中毒は夏の問題だけではない。冬期にはウイルスによる感染症が要注意だ。ワクチンなどがないノロウイルスに対しては、感染経路である手指の衛生、手洗いや患者からウイルスを含んだ形で排出された嘔吐(おうと)物や便、それらが付着した衣服などの適切な処理が何よりの対策になる。

手は以外と洗い残しが多い

 口から食物など共に体内に入り、小腸で増殖 するノロウイルスは嘔吐や排便の際に患者の体外に排出される。嘔吐物や便自体はもちろんだが、飛散した飛沫などに含まれたウイルスはトイレの便器やドアのノブ、じゅうたんや家具にも付着する。乾燥に強いノロウイルスは付着後も長期に渡って感染力を保つため、ノブなどを触った手に移り、感染を拡大する恐れもある。

 ◇有効なワクチン、治療薬なし

 「ノロウイルスは非常に少ないウイルス量で発病すること、そのウイルスが乾燥に強くて空中に浮遊するケースも多いことなどから感染拡大を起こしやすい。さらに一般的なアルコール消毒薬が効きにくく、次亜塩素酸ナトリウムが必要なことも重要な点だ」

東京慈恵会医科大学附属病院副部長の美島路恵さん

 感染管理認定看護師で慈恵会医科大学付属病院感染対策部の美島路恵副部長は、ノロウイルスの感染管理が難しい原因をこう説明する。しかも、同ウイルスには有効なワクチンや治療薬はなく、症状の緩和を進めながら数日から1週間程度で症状が消える自然治癒を待つしかない。

沸騰した湯に1分程度漬けて消毒を

 これらのウイルスは口から食物など共に体内に入り、主に胃や小腸で繁増殖し、嘔吐や排便の際に患者の体外に排出される。感染拡大を防ぐには、ウイルスを多量に含んだ嘔吐物や便自体の処理が最も重要になる。

 嘔吐物の処理は念入りに

 除去する際には使い捨てのビニール手袋とマスクを着用、汚れを広げないようにペーパータオルでまとめ、密閉しやすいチャック付きのビニール袋に入れる。その後、使ったペーパータオルや手袋と一緒にビニール袋に入れて消毒液をかけた上で口を固く結んで可燃ゴミとして出す。

 その際に付着した衣服やシーツなどは汚物などを同様に取り除いた後沸騰した湯に1分以上漬けて消毒し、他の洗濯ものと分けて洗う。床なども消毒液を浸したペーパータオルでよく拭き、ペーパータオルは同様に密封して捨てる。毛足の長いじゅうたんなどの場合は、消毒液を浸した新聞紙を10分程度かぶせる。念のために、その後にアイロンをかけて加熱消毒する。

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