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空気が乾燥する時期を迎え、赤ちゃんの肌トラブルに頭を悩ませる親も多いだろう。乳幼児の皮膚の厚さは大人の半分しかなく、外部からの刺激を受けやすい。わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)の野崎誠院長は「成長後もトラブルのない健やかな肌を育てるには、0歳からのスキンケアが大切です」と話す。
0歳からのケアが大切
▽口の周りにはワセリン
乳児期のアトピー性皮膚炎に始まり、成長に伴って食物アレルギーやぜんそくなどのアレルギー疾患を次々と発症するアレルギーマーチ。野崎院長によると、バリアー機能が低下した皮膚の表面にダニのふんや死骸、ほこり、食物などが付着してアトピー性皮膚炎を発症すると、アレルギーマーチの最初のきっかけにもなり得るという。
「アレルギー疾患を予防する観点からも、スキンケアは重要です」
赤ちゃんの肌を守るには、皮膚の表面に水分や保湿成分を補う「保湿」だけではなく、表面に油で膜を張って物が触れないように「保護」することも大切だ。特に、口の周りは涙やよだれ、ミルク、食べこぼしなどで汚れやすい。湿疹ができると、傷口から食べ物の成分が侵入し、アレルギーの原因になることもある。野崎院長は「口の周りは、常にワセリンなどで保護してください。拭いたらすぐ塗る、を心掛けましょう」とアドバイスする。
一方、赤ちゃんは冬でもあせもができるほど汗をかくため、首から下の全身には、一年を通してさらっとした保湿ローションなどを塗るとよいという。
▽洗い流して保湿が鉄則
赤ちゃんのスキンケアは、洗って流して、保湿するのが鉄則だ。ボディーソープなどできちんと汚れを落とし、洗い流す。「これが足りないと、いくら保湿しても肌荒れは治まりません」。また、添加物の少ない低刺激のスキンケア用品を選ぶのもポイントだ。
保湿剤は、風呂から上がって5~15分後に塗る。赤ちゃんは入浴中に大量の汗をかくため、直後だとあせもの原因になるからだ。また、保湿剤は顔から足先に向かってなでるように塗り広げる。摩擦であせもができやすくなるので、擦り込まないようにする。
健康な肌をつくるためには、赤ちゃんの肌に触れるガーゼや下着の素材、室内環境、さらには睡眠、栄養バランスにも配慮したい。「平織りのガーゼからパイル織りの柔らかいタオルに変えるだけで、肌状態が改善する場合があります」と野崎院長。室内は湿度50%、温度25度を目標とする。ただ、「負担に感じると長続きしません。ポイントを守って、神経質になり過ぎないことも大切です」と野崎院長は話している。(メディカルトリビューン=時事)
(2020/03/21 09:00)
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