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しゃっくりのほとんどは一過性で数分から数時間で消失するが、数日間、時に数週間も続くことがある。その場合、生命に関わる重大な疾患が隠れている例もあるため、原因を突き止めて原因疾患を治療することが重要となる。友愛記念病院(茨城県古河市)でしゃっくり外来を担当する救急科の近藤司部長に聞いた。
▽起こる仕組みは?
しゃっくりは、医学的には「吃逆(きつぎゃく)」と呼ばれ、2日以内で消失する「急性吃逆」、2日以上続く「慢性吃逆」、1カ月以上続く「難治性吃逆」に分類される。1日中続いたり、数時間置きに出現したりと個人差があり、呼吸や食事、睡眠などが妨げられることもある。かなりの苦痛を伴い、長期にわたって続くと全身が衰弱する危険性もあるため、たかがしゃっくりと侮ることはできない。
近藤部長はしゃっくりが生じる仕組みについて、「せきやくしゃみなどと同じ呼吸器系の反射運動の一つです」と説明する。しゃっくりを起こす刺激は舌の付け根や鼻の奥にある舌咽(ぜついん)神経という神経を介して延髄にあるしゃっくりの中枢に伝達され、中枢から横隔膜と声帯に対し同時に収縮する指令が出される。このため、空気を吸うのと同時に声帯が閉鎖する(吸気が妨げられる)という運動が起きる。それによって「ヒック」という独特の音が出る。
吃逆の中枢はGABA(γ―アミノ酪酸)という神経伝達物質によってコントロールされており、GABAの産生や伝達に何らかの問題が生じると吃逆が出現しやすくなると考えられる。
▽脳梗塞などが潜む例も
しゃっくりは、気付かれていない脳梗塞や脳腫瘍、消化器系疾患などによって引き起こされている場合もあるため、「しゃっくり外来では、病歴の聴取に加え、画像診断など種々の検査を行い、基礎疾患の有無を調べます」と近藤部長。
原疾患があれば治療し、症状をコントロールするためGABAの作動薬であるバクロフェンという薬剤を投与することがある。こうした治療に加え、食生活を含めた生活習慣の見直しも大事だという。中には、ストレスで引き起こされている場合もある。
近藤部長は「しゃっくりが1週間以上続くようなら、病院の総合診療科などを受診して相談してほしい」とアドバイスする。 (メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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