しゃっくり 家庭の医学

 しゃっくりは意思に関係なく、一定の間隔をおいて起こる横隔膜のけいれんで、閉じている声門に急激な吸気が通って特有の音を出すものをいいます。多くはすぐとまるので問題はありませんが、時にしゃっくりが長時間続き、食事や睡眠がさまたげられて体力を消耗することがあります。
 原因として多いのは、過食や空気の飲み込み、炭酸飲料の摂取などです。食事習慣や食事の内容に気をつけます。深呼吸したり息をこらえたり、うがいしたり、大量の冷水を飲んだりすると治ることもあります。なかなか治らないときは、精神的な原因のこともあり、精神的なケアを受けることも必要です。
 がんこなしゃっくりで、まれに、咽頭がんや横隔膜を刺激する場所にできた胃がん肝臓がん肺がん縦隔腫瘍などが原因のこともあり、なかなか治らないようなら検査を受けるようにしなければなりません。

(執筆・監修:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 名誉院長 大西 真)