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手指の第一関節が変形し、曲がってしまう「ヘバーデン結節」。中高年の女性に多く見られるが、原因は不明。発症すると元に戻らないため、テーピングなどで関節を固定し、変形をできるだけ防ぐ必要がある。横浜労災病院(横浜市)の三上容司院長に聞いた。
第一関節が変形して曲がるへバーデン結節
▽痛みと変形
遠位指節間(えんいしせつかん)という指先から最初の関節は一般的に第一関節と呼ばれる。ここに痛みや腫れが生じ、変形を来すのがヘバーデン結節だ。人さし指から小指にかけての複数の指で同時に発症することが多い。
X線検査で見ると、関節の隙間が狭くなり変形している。痛みは数カ月から半年程度で治まるが、変形が進行、こぶ(結節)ができ、横に曲がって固まるなど動きも悪くなる。「発症の原因は不明ですが、更年期以降の女性に起こりやすいです。女性ホルモンや遺伝的要因、手指を酷使するなどの環境要因も関係すると考えられます」
「関節リウマチ」を疑う人も多いが、全く別の疾患だ。「ヘバーデン結節は『変形性関節症』の一つで、指関節だけの疾患です。一方、関節リウマチは全身疾患で、他の関節にも痛みや腫れが起こります。血液検査で見分けられます」
▽変形と動きの悪化を防ぐ
ヘバーデン結節の治癒は難しく、基本的に対症療法となる。痛みが強いときは手を使わず安静にし、消炎鎮痛剤の貼り薬や塗り薬で対処する。また、テーピングや専用の装具で関節を固定すると、患部を保護して変形の予防につながる。
痛みが治まったら、ゆっくり指を曲げ伸ばしするなど関節の動きを維持するトレーニングも必要だ。普段の生活では指先に過度の負担がかからないように注意する。
変形した関節は動きが悪くなるが、多くの場合は日常生活に支障を来すほどではない。変形がひどくて生活に不便が生じ、見た目が気になる人は、関節を真っすぐに固定する手術も選択肢となる。ただし、固定すると関節は全く動かなくなる。
「ヘバーデン結節は一生を通してうまく付き合っていく病気です。病状の進行を抑えるためにも、関節に痛みや異常を感じたら、早めに整形外科医を受診することが大切です」と三上院長はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/09/25 05:00)
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