治療・予防

足の爪が分厚く変色―爪甲鉤彎症
治療は皮膚科でしっかりと(東皮フ科医院 東禹彦院長)

 足の親指の爪が厚く硬くなり、黄色く濁ったようになる爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)は女性に多い爪の病気だ。東皮フ科医院(堺市)の東禹彦院長は「中高年を中心に患者は増えています。放置しても自然に正常な爪に生え替わらないので皮膚科の受診が必要です」と強調する。

次第に爪を切りにくくなる。自然には治らないので、早めに適切な治療を

 ▽けがや手術が発端に

 足の親指の爪には、歩行時に地面から親指に加わる力を受け止めてバランスを取る働きがある。ところが、けがなどで爪が剥がれたり、爪を除去する爪甲除去術を受けたりして爪がなくなると、爪に代わって足の親指の途中や親指の先まで伸びている骨がその力を受け止めることになる。この状態が長く続くと、新しい爪が生える作用が妨げられてしまう。

 「爪甲鉤彎症の人の多くは爪と爪の両側の皮膚がつながっていません。また、足の親指の先の皮膚が爪の位置より高く盛り上がってしまうため、爪はそれ以上先に伸びることができません。次第に爪は厚くなり、黄色く濁ったり、黒く変色したり、表面がでこぼこしたりして、時にヤギの角のように湾曲するのです」と東院長は説明する。さらに、靴を履くと痛む、爪を切るのが困難になる、外観が気になるなどの問題も生じてくる。

 ▽爪を除去しテーピング

 2007年7月~08年12月に同医院を受診した爪甲鉤彎症患者170人のうち、154人が女性だった。患者の年齢は男女とも10~90代と幅広いが、40代から70代で急増していた。「女性では、靴の爪先部分の形やヒールの高さ、爪甲除去術などが発症に影響を及ぼしていると考えられます」と東院長。

 治療では爪甲除去術を実施し、1カ月後から治療用のテープで指先の盛り上がりを下方に抑えるテーピング法を行う。テーピングは起床時に自分で行い、就寝時に外す。1カ月ごとに受診してテープのずれなどを確認する。抜爪後8カ月ほど経過すると、見た目から治ったように錯覚してテーピングを中止してしまうケースがあるという。しかし、爪が足の親指の先端部まで伸びるのに1年ほどかかり、途中でやめると再発する可能性もあるので、指示通りに続けることが大事だ。

 「爪甲除去術とテーピング法で7~8割は正常な爪に再生できます。治療が遅れると指先の骨を削る手術が必要になる場合もあります。早めに皮膚科専門医に相談してください」と東院長は呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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