話題 2024/12/19 05:00
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夫の言動や存在自体がストレスとなり、妻の心身に不調が表れることを「夫源病」という。医学的な病名ではなく、眼科いしくらクリニック(大阪市)の石蔵文信医師が考案した呼び名だ。症状を改善するには、原因である夫へのストレスを除き、夫婦関係を新たに築いていく必要がある。
▽ストレスで発症
症状は頭痛、めまい、耳鳴り、動悸(どうき)・息切れ、血圧上昇、不眠、情緒不安定、憂鬱(ゆううつ)感などさまざま。年齢に関係なく発症するが、特に中高年で起こりやすい。そのため、更年期障害と片付けられることも多い。
「更年期になると、それまで心身を守っていた女性ホルモンの分泌が減少し、ストレスへの抵抗力が弱まります。ストレスはさまざまありますが、夫に対するストレスに耐えられなくなり、諸症状が起こる場合を夫源病と考えます」と石蔵医師。夫の言動で症状が重くなったり、夫が出張などで不在の時には症状が出なかったりする場合はその疑いが強い
更年期障害は薬物療法やホルモン補充療法で治療できるが、夫源病は夫からのストレスが軽減されない限りよくならない。また、高血圧症、自律神経失調症、うつ病などと診断されても、通常の治療で症状が改善しなければ夫源病の可能性がある。
▽本音を言える関係に
妻を夫源病に追い込む夫には幾つかの特徴がある。妻の方は、「我慢強くて弱音を吐かない」「自分の感情を表に出すのが苦手」「世間体が気になる」といったタイプがストレスをため込みやすく、要注意だ。
治すには夫との関係を見直し、ストレスを感じずに済むような夫婦関係の再構築が重要となる。石蔵医師は、まずは妻に時間をかけてカウンセリングを行い、夫への不満、愚痴、悩みなどをじっくり聞くという。
次に、夫婦そろって診察を行い、その場でお互いに不満をぶつけ合うように勧める。診察室で口げんかを繰り返し、家でも本音を言い合えるようになれば、症状は軽快する。「3カ月程度の治療で、ほとんどは治ります」。
しかし、夫が治療に向き合わない場合は距離を置くほかない。「寝室を分けて別々の空間で過ごすようにしたり、しばらく別居したりすることも選択肢となります」と石蔵医師はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/12/19 05:00)
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