治療・予防 2025/05/09 05:00
ダニ媒介脳炎
~ワクチン接種で予防可能(おひげせんせいのこどもクリニック 米川元晴院長)~
スポーツを楽しんでいる際や不意の転倒などで鼻を骨折することがある。東京慈恵会医科大学付属病院(東京都港区)耳鼻咽喉・頭頸部外科の大村和弘診療医長は「鼻は目や脳に近く、強くぶつけたときは注意が必要です。元の形に戻す整復が必要な場合は、できるだけ早く行うようにしてください」と話す。
スポーツなどで不意に強い外力が加わると骨折しやすい
▽痛みや腫れ、鼻血
鼻骨は眉間の下に位置し、下方は軟骨で覆われ、屋根のように飛び出した構造をしている。酔って転倒したり、ボクシングや野球などのスポーツでぶつけたりするなど、強い外力が加わると骨折しやすい。
症状は、鼻の痛みや腫れ、鼻血で、皮膚が青あざのようになることもある。折れ方によっては鼻が曲がったり、軟骨が損傷して低くなったりして、呼吸がしづらくなることもある。
鼻骨骨折だけなら命に別条はないが、他の部位に骨折が及んでいる恐れもある。大村医師は「目を囲む眼窩(がんか)底や脳を支える頭蓋底が骨折することがあります。その場合、視力障害の他、髄液が鼻水のように出て頭痛が起こることもあります」と指摘する。
そのため診断時は、コンピューター断層撮影(CT)で鼻以外に骨折がないかを確認する。鼻骨がどのように折れているかが分かるため、整復時にも役立つという。
▽直後なら外来で整復
鼻骨骨折のみであれば、受傷直後は耳鼻科の外来で整復が可能だ。局所麻酔を行い、鼻から器具を入れて元に戻す。30分程度で終わる。しかし、腫れがひどい場合は、腫れが引くまで1週間程度待たなければならない。「その間、痛み止めと抗生物質を服用し、鼻の中の細菌や空気が眼窩内や頭蓋内に侵入しないよう、鼻はかまないようにします」と大村医師。
3週間を超えると骨が固定されてしまうため、形成外科での処置になる。「全身麻酔で固定した部分の骨を切り、必要に応じて軟骨移植を行います。7日程度の入院が必要です」。整復の必要性は、呼吸などの機能面や見た目に問題がある場合となる。
大村医師は「鼻骨骨折の整復は、時間の経過とともに複雑になり、費用もかさみます。感染症のリスクもゼロではありません。治療の際は、耳鼻科と形成外科を併設している医療機関を探して受診するといいでしょう」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/01/30 05:00)
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