治療・予防 2024/12/27 05:00
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2017年は、梅雨入り前から各地で真夏日が報告され、厚生労働省などが熱中症への警戒を呼び掛けている。救命救急医療の専門家と管理栄養士に注意点を聞いた。熱中症診療ガイドラインの作成に携わった帝京大医学部付属病院救命救急センター長(東京都板橋区)の三宅康史教授は熱中症の怖さを熟知している。
「5月はまだ湿度も低く、日がかげればだいぶ涼しくなる。この間に熱中症の疑いで救急搬送される人は、屋外でのスポーツや労働関係しているのが大半で、多くは軽症だ。問題は梅雨明け以降で、高温多湿な状態が夜も続く時期。この時期は持病を持つ人を中心に、高齢者の熱中症の重症者が増え、比例して死亡率も上がる。その意味でこの時期はこそが、対策の真価が問われる」
小まめな水分補給や休憩の実施などの熱中症対策や啓発が進み、運動時や労働時の熱中症患者は減少している。しかし、都市や地方で一人暮らしの高齢者が増加し、この中から毎夏、多くの熱中症患者が出ている、と三宅教授は指摘する。「夏の熱中症患者の救急搬送数を分析すると、母数が相対的に少ないはずの80代と70代がほぼ同数。90代も統計的に目立つほど搬送者が出ている。やはり問題になるのは、高齢者と言えるだろう」
◇エアコンを活用
「秋から春には熱中症は起きない。夏であっても、生活空間の温度と湿度を上げないようにするのが最も基本的な対策だ」。
体感温度で25~30度。夜間は睡眠をとることを考えて25度前後にしたい。寒暖計や熱中症アラームを使って温度管理に気を配ることのいいだろう。
「ヒートアイランド化が進む中、壁や天井は(夜になっても)かなりの熱を帯びているので、最低でも就寝前には十分に冷やしてエアコンを一度切り、夜中に暑かったりトイレに行ったりするために目を覚ました時に、コップ一杯の水を飲み、エアコンのスイッチを入れてほしい」
配慮が求められるのが、介護を必要とする人や持病のある人だ。もともと基礎代謝が低下している高齢者で、介護を受けている人は寒暖の差や喉の渇きを感じなくなっている。このため、家族や介護スタッフは積極的に様子を観察し、早めに体温調整のための着替えや水分補給が求められる。
(2017/06/01 16:08)
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