治療・予防 2024/11/21 05:00
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5~6月初めは初夏と言われ、爽やかな気候というイメージがある。ところが今年は、最高気温が30度を超える真夏日が続いたかと思えば、20度を下回る肌寒い日だったことも。この寒暖差が、「なんとなくだるい」「めまいがする」といった夏バテに近い症状を引き起こす要因になっているようだ。なぜ不調になり、どんな対処法で乗り切ればいいのだろうか。
寒暖差が引き起こす体の不調とは
◇温度差で疲れたまる
「屋内外の気温差、一日の最低・最高気温の差、1週間の気温変動。この三つの温度差が大きいと、体に疲労がたまって夏バテにつながる」と話すのは、せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長だ。
高温多湿の日には汗を出して放熱を促し、涼しい日には保温する。このように体温を常に一定に保とうと、自動的に調節しているのが自律神経だ。交感神経と副交感神経で成り立っていて、体の至る所に張り巡らされている。外部環境が変化すれば、二つがバランスを取り合って調節している。
例えば最高気温が30度近い日、オフィス街を徒歩で移動し電車に乗り込むと、車内はエアコンでひんやり。「寒いな」と思いながら目的地の最寄り駅で下車し、再び蒸し暑いアスファルトを歩く。体が接する空気の温度は短い時間内に繰り返し上下し、自律神経は無理やり調節しようと働き続け、次第に疲労が蓄積されていく。
久手堅院長は「ゴールデンウイーク明けから梅雨入り前にかけて、気圧の変化で不調を訴える患者さんはこれまでも多かった。ただ、今年は寒暖差が要因で受診する人が多い。話を聞くと、すでに夏バテのような症状が出ている」と解説する。
◇検査しても「異常なし」
具体的な症状は、暑さに対応できない場合は熱中症に近く、だるさや体の火照りがある。寒さをつらく感じるときは冷え性のようになり、特に内臓の冷えは胃腸に影響し、典型的な夏バテ状態に。
胃の痛みやもたれ、吐き気、下痢といった症状が出れば、検査をする人が多いだろう。しかし、「特に異常が見つからないことがほとんど」と久手堅院長は指摘する。
その他にも、頭痛、めまい、気分の落ち込み、ぜんそく、アレルギー反応、古傷の痛み、関節痛など、症状は多岐にわたる。「他院で検査をしても問題ないと言われたが、明らかに体調不良でどうしたらいいか不安な患者さんが当院に相談に来る」(久手堅院長)という。
命に関わることはないが、寒暖差による自律神経の疲労の蓄積が、生活の質を下げる可能性は高い。自覚症状が出る前に、できることをやっておきたい。
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