医学部・学会情報

新型コロナウイルス感染症の都道府県別感染者数(推定値)及び推定値による感染リスク地域の公開 ~地域住民の感染リスク回避行動の意思決定を支援―名古屋市立大学~

【発表概要】

 名古屋市立大学(所在地:愛知県名古屋市、理事長 郡健二郎)データサイエンス学部の間辺利江准教授らの研究グループは、厚生労働省・地方自治体等からの感染者数公表がなくなった状況に対応し、2023年8月1日から新たな情報公開を開始する。この情報公開により、従来の感染者数を推定値として把握でき、さらに感染リスク地域等の感染状況の可視化を可能としている。

 本研究グループは、2021年7月からCOVID-19感染集積地域の情報をウェブやアプリを通じて発信しており、COVID-19の感染者情報を当該地域の人口や隣接地域の感染者数などを考慮した空間疫学解析とシミュレーションにより、最も感染者が集中している地域(感染集積地域)を当該地域の相対リスク(relative risk)と共に推定し、感染集積地域の情報を公開してきた。

 今回の情報公開は、2023年5月8日以降、COVID-19の感染症法上の位置付けが5類感染症になり、感染者状況の把握が困難になった現状に対応すべく、厚生労働省が公開する都道府県別の定点医療機関からの新規感染者数を利用し、研究グループがこれまで蓄積してきたデータとの比較による独自の方法で、都道府県別の感染者数の推定値を算出している。さらに、算出した推定値を使用し、前述の感染集積地域(全国及び都道府県毎)を同定し、全国の感染状況をマップ上で可視化した。算出した推定値及び集積性の解析結果は、2023年5月8日以前の陽性者実数及び、実数を使用した感染集積地域との比較検証を行い、推定患者数及びその解析結果は、実数のものとほぼ変わらないことも確認している。本情報は、今後も週1回の定点報告にあわせて更新する。

 公開の推定値は、あくまで地域住民の方々の感染リスク回避行動の意思決定を支援する為に、当研究グループが推定したもので、実際の感染者数を表すものではない点は御理解いただきたい、としている。

 名古屋市立大学では、科学的根拠に基づいた情報提供を進めることで、より多くの地域住民の方々が感染リスクに対する認識を高め、感染リスク回避行動の支援を目指していく。




情報公開ウェブサイト:https://research.eid-library.gr.jp/





【研究グループメンバー】

間辺利江 (名古屋市立大学 データサイエンス学部)

川出義浩 (名古屋市立大学 医学研究科)

神林 弾 (名古屋市立大学 医学研究科、昭和薬科大学)

間辺広樹 (四天王寺大学 高等教育推進センター)

竹尾 淳 (名古屋市立大学 医学研究科、名古屋国際工科専門職大学)

小鹿不二人(株式会社エスアンド)

【研究に関する問い合わせ】

間辺 利江

名古屋市立大学データサイエンス学部 間辺研究室

住所:〒467-8501名古屋市瑞穂区瑞穂町字山の畑1 6号館205号

TEL:052-872-6275 

E-mail:crmanabe@med.nagoya-cu.ac.jp

【報道に関する問い合わせ】

名古屋市立大学 病院管理部経営課

名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1

TEL:052-858-7113  FAX:052-858-7537

E-mail:hpkouhou@sec.nagoya-cu.ac.j


資料イメージ図

(1)COVID-19感染者(推定値)の状況


(2)COVID-19感染者数(推定値)の経時的推移

(2)COVID-19感染者数(推定値)の経時的推移


(3)全国と47都道府県の感染者数(推定値)


(4)推定値による感染集積地域


(5)都道府県別の感染状況のページ(例:東京都)






医学部・学会情報