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日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は22日、糖尿病の新たな呼称を「ダイアベティス」とする案を発表した。国際的に広く使われている英語名をカタカナで表記した。糖尿病への偏見・差別をなくすのが目的だが、この呼称をめぐっては「分かりにくい」との指摘もある。両団体は今後1年程度かけ、患者や医療従事者だけでなく、行政、一般市民など幅広い層から意見を聞いた上で結論を出す。
新たな呼称を発表した糖尿病学会と糖尿病協会の幹部ら(22日、都内)
糖尿病は血糖値が慢性的に高い病気。進行すると、視力や神経の障害、腎臓病などの合併症を引き起こす危険性がある。国内で約1000万人の患者がいると推定され、特に中年以降に発症するケースが多い。
糖尿病という病名は100年以上前に付けられたが、現在では必ずしも尿に糖が混じるわけではないことが分かっている。患者は「長生きできない」「自己管理ができない」といった誤ったイメージが定着し、保険の加入や就職・昇進などで不利な扱いを受けるケースもある。同協会が2021年11月~22年9月に患者を対象に実施したアンケート調査では、回答者の9割が病名に抵抗感・不快感を抱き、8割が変更を希望していた。
こうした状況を踏まえ、両団体はワーキンググループで具体的検討を開始。議論の過程では「糖代謝症候群」なども候補に挙がったが、最終的には国際標準と言えるダイアベティスが妥当と判断した。糖尿病協会の清野裕理事長は、同日のセミナーで「共通言語にかじを取る」と語った。
ただ、新たな呼称は現時点では「有力候補」との位置付け。今後の検討で、呼称を変更するかどうかを含めて議論するとしている。同学会・協会は選定の経緯などを丁寧に説明し、多くの賛同を得たい考えだ。
両団体は正式な病名の変更も視野に入れるが、そのための手続きには時間がかかる。まずは呼称を変え、患者や家族の不利益を取り除くことを優先する。(了)
(2023/09/22 20:53)
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