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11月14日は「世界糖尿病デー」。インスリンを発見したバンディング博士の誕生日です。世界的に拡大する糖尿病の脅威に、一丸となって立ち向かうために制定されました。日本でも毎年11月14日を含む1週間を「糖尿病週間」に制定し、全国各地でさまざまな啓蒙(けいもう)活動を行っています。
東京タワーと大阪の通天閣=2007年11月14日
◇今年のテーマは「アドボカシー ~偏見にNo!~」
アドボカシーとは、社会的偏見による差別を払拭(ふっしょく)する提言活動のことです。糖尿病が理由で不当に扱われることのない社会を目指して、医療者と患者さんが共に活動しています。
糖尿病は1型・2型などの病型を問わず、体質や遺伝が大きく関わる疾患です。しかし、「太っている人や甘いものを食べ過ぎた人の病気だ」と、間違った認識を持つ人がまだまだたくさんいます。これらの誤解が、「糖尿病の人は怠け者だ」「自己管理ができていないんだ」という偏見につながります。そして、糖尿病を理由に結婚を反対されたり、昇進を阻害されたりする事例が実際に全国で起きています。
◇偏見で自ら苦しむ人も
偏見を持つことは、自分の身体をむしばむことにもつながりかねません。ある日、心筋梗塞で搬送されてきた患者さんは重度の未治療糖尿病でした。規則正しい生活を送ってきた自分が糖尿病であることを受け入れられず、治療を放棄していたのです。動脈硬化はどんどん進行し、ついには心筋梗塞を起こしてしまいました。「糖尿病だと診断された時、社会から分断された気がした」と当時の心境を語られていました。
◇偏見のない社会を目指して
糖尿病のある方が前向きに治療に取り組み日常生活を送れる社会を目指して、私たちは活動しています。糖尿病だけでなく、さまざまな疾患や社会問題において、ひとりひとりが理解を深めることが、全ての人が生き生き活躍できる社会につながると信じています。
糖尿病週間では、全国各地の建物が、世界糖尿病デーのシンボルであるブルーサークルにちなんで、青色にライトアップされています。ブルーライトアップを見かけたとき今回のお話を思い出してくださったら、とてもうれしいです。(了)
渡邉 昂汰
渡邉 昂汰(わたなべ・こーた) 内科専攻医および名古屋市立大学公衆衛生教室研究員。「健康な人がより健康に」をモットーにさまざまな活動をしているが、当の本人は雨の日の頭痛に悩まされている。
(2022/11/14 05:00)
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