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動作が遅く手足が震える症状が特徴のパーキンソン病。飲み薬で改善するが、治療を始めて数年たつと、薬の効き目が早めに切れてしまい、急に動けなくなるなどの症状が表れることが多い。そんな進行期の新たな治療薬が今年発売された。開発に携わった国立病院機構旭川医療センター(北海道旭川市)の木村隆院長(脳神経内科)に聞いた。
パーキンソン病の治療
◇薬切れ歩行困難
パーキンソン病は、脳が「手足を動かせ」といった指令を伝えるときに必要なドーパミンの減少で発症する。主な治療法に「ドーパミンのもと」であるレボドパという飲み薬があり、1日3回の内服で症状は改善する。
しかし、多くの患者は数年で病気が進行し、運動合併症が現れる。「服薬後2~3時間で効き目が切れてしまい、再び手足が震えたり、歩きづらくなったりします。効き過ぎて、体が勝手にくねくねと動くこともあります」
病気の進行とともに、血液中の薬の濃度の有効範囲が狭まり、飲んで間もなくあるいは数時間後に運動合併症につながる。その場合、レボドパの服用回数や量を増やしたり、作用を補助する薬を組み合わせたりする。
薬物療法の効果が不十分なときには、脳に電極を埋め込む脳深部刺激療法、胃に通した管から腸に直接、レボドパを送り込む経腸療法という2種類のデバイス(機器)補助療法がある。「どちらも有効ですが、頭部または腹部に小さな穴を開ける手術が必要なので、ためらう人が多くいます」と木村院長。
◇薬をじわじわ注入
そうした中、血液中の濃度を24時間安定して保つレボドパ製剤(製品名ヴィアレブ)が実用化された。小型の輸液ポンプを用いるデバイス補助療法で、腹部の皮膚に挿入した柔らかい細い管(カニューレ)からレボドパをじわじわと注入する。
使用前と比べて、レボドパの適度な効き目が長く続くと確認されている。「手術が不要なので、デバイス補助療法の中で最初に使用を考慮します」
副作用は、管を挿入した皮膚の赤み、しこり、感染などで、挿入箇所を一定間隔で変え、事前に消毒するなどの対策を行う。実際には存在しないものが見えたり聞こえたりする幻覚にも注意が必要だという。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/03/01 05:00)
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