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最近、口をぽかんと開けている子どもを見掛けることが少なくない。口腔(こうくう)内環境や歯並び、かみ合わせなどに悪影響が起こり得る「お口ぽかん」に詳しい、朝日大学歯学部小児歯科学の斉藤一誠教授に聞いた。
あいうべ体操
◇口腔機能発達不全のサイン
お口ぽかんは、唇がほぼ常に開いている状態を指し、専門的には「口唇閉鎖不全」と呼ぶ。斉藤教授らが3~12歳の子どもに行った全国的な調査では、31%でお口ぽかんが認められた。18~27歳の若者を対象とした調査でも29%で認められたことから、「自然に良くなることはなく、大人になっても続く可能性が高いようです」と見る。
どのような問題が懸念されるのか。「食事の時も唇が開きがちになるため、くちゃくちゃと音を立てて食べることがあります。そういうマナーや見た目の問題だけでなく、異常な飲み込み癖、虫歯、歯肉炎、歯並び、かみ合わせが悪くなるなど、口腔機能にさまざまな悪影響をもたらす可能性があります。アレルギー性鼻炎、睡眠障害、集中力低下などとの関連もいわれています」。食べる、話すなどの機能が十分発達していない「口腔機能発達不全症」の症状の一つともされる。
◇口元が引き締まる
「子どものお口ぽかんに気付いたら、小児歯科医に早めに相談してほしい」。必要な場合は、口の周りの筋肉を鍛える器具を使ったトレーニングが提案されることもある。
日常的に行う体操としては、唇を「あ」「い」「う」と発声する形に順番に動かし、最後に舌を「べ」と前へ突き出す運動を1セットとする「あいうべ体操」(今井一彰みらいクリニック院長考案)を勧める。
斉藤教授らはこのほど、あいうべ体操の効果を検討した。お口ぽかんの3~4歳の幼稚園児123人に、毎朝36セットを1年間続けてもらったところ、体操をしない園児に比べ、唇の閉鎖力が明らかに強くなった。それに伴い口元(上下の唇)の形も引き締まることが分かった。家庭で行う場合は、親子で一緒に楽しく続けることが大事だという。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/04/15 05:00)
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