治療・予防 2024/11/22 05:00
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明治時代から「国民病」と呼ばれ、戦後も1950年まで死因第1位だった結核。薬で治療が可能となったが、世界ではいまだに結核が猛威を振るう地域があり、日本も年間に10万人当たりの患者が14.4人と、欧米先進国に比べて多い。世界と日本の結核の現状について、結核予防会結核研究所(東京都清瀬市)臨床・疫学部の大角晃弘部長に聞いた。
◇昔の病気ではない
世界保健機関(WHO)によると、2015年の新たな結核患者は世界で1040万人。今でも1日に50人が新たに診断され、5人が命を落としているとされる。結核は貧困と密接な関わりがあり、15年の世界の新規患者の61%はアジア、次いでアフリカが26%を占めている。
問題を複雑化させているのが、標準的な治療薬が効かない結核菌(多剤耐性菌)の存在。結核は、もともと治療薬の選択肢が少ない病気だ。最近になって多剤耐性菌にも使える新しい薬が出てきたが、多種類の薬を長期間服用しなければならない。
「副作用で治療が続けられなくなる人もいて、多剤耐性結核は治療が難しくなります。治療費も増え、治るのかどうかという患者さんや家族の精神的な負担も大きい」と大角部長。結核のまん延防止には、多剤耐性結核の封じ込めがカギとなる。
(2017/10/13 17:22)
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