2024/12/04 05:00
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皆さんは、処方箋の期限が4日間だけであることを知っていますか?
処方箋は、交付の日を含めて4日以内に使用しなければなりません。
注意すべきなのは、この4日間に休日や祝日も含まれることです。
つまり、「4営業日」ではありません。
さて、9月は3連休が2回あるため、特に注意が必要です。
休日や祝日は、多くの薬局が閉まっています。
金曜日に交付された処方箋は、その日のうちに使わなければ失効してしまいます。
3連休が明けると交付から5日目ですから、期限切れなのです。
処方箋の期限には休日なども含まれる
◇処方箋の期限が短い理由
では、なぜ処方箋の期限はこんなにも短いのでしょうか。
それは、病状が刻一刻と変わることがあるからです。
処方箋を交付された日から1週間、2週間と経過すると、病状はずいぶん変化しているものです。
治療しないうちに悪化していて、別の治療が必要になっているかもしれません。
逆に自然に改善していて、すでに薬が不要な状態になっている可能性もあるでしょう。
薬が不要であるのに薬を飲むと、副作用のリスクだけを負うことになります。
そこで、4日間を超えて薬を受け取れなかった場合は、その時点で再び医師の診察が必要になります。
短期間なら同じ処方箋の再発行だけで済むこともありますが、長い期間が経過していたら、その時点で再度、どんな治療が必要なのかについて医師の判断を求める必要があるでしょう。
なお、長期間の休みでどうしても4日以内に薬を受け取れない場合は、医師に事前に相談しましょう。
◇かかりつけ薬局の知識
処方箋は、全国どの薬局に出しても受け付けてもらえます。
必ずしも、処方された医療機関の近隣の薬局に行かなくても構いません。
薬局ではよく、「全国どこでも処方箋を受け付けます」といった掲示を見かけることがありますね。
実際、複数の医療機関から処方箋をもらう場合、それぞれの病院の近くの門前薬局で別々に薬をもらうより、行きやすい薬局を一つに固定しておく方が安心でしょう。
これを「かかりつけ薬局」と呼びます。薬剤師が患者さんの病状を把握しやすいため、患者さんにとっても有利です。
ただし、訪問した薬局に在庫がなければすぐに薬はもらえません。
数時間後、あるいは数日後に再度取りに来る、あるいは郵送を依頼するなど、薬局で相談が必要になります。
この点については注意が必要ですね。(了)
山本 健人(やまもと・たけひと) 医師・医学博士。2010年京都大学医学部卒業。外科専門医、消化器病専門医、消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医、感染症専門医、がん治療認定医など。「外科医けいゆう」のペンネームで医療情報サイト「外科医の視点」を運営し、累計1200万PV超を記録。各地で一般向け講演なども精力的に行っている。著書「すばらしい人体」「すばらしい医学」(ダイヤモンド社)はシリーズ累計23万部。「医者が教える正しい病院のかかり方」(幻冬舎)、「患者の心得」(時事通信)ほか著書多数。
(2024/09/04 05:00)
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