治療・予防 2025/05/02 05:00
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数時間から数日間、激しい嘔吐(おうと)を繰り返す周期性嘔吐症。2~10歳程度の子どもに多く、発症後2~5年くらいで自然に軽快(回復)することが多い。ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市)の疋田敏之院長に症状や治療について話を聞いた。
繰り返す嘔吐
◇同じような周期で
疋田院長らが2022年に発表した調査では、日本人の子どもの有病率は1000人当たり2.1人で、発症する年齢は5歳前後が多かった。
症状の程度や頻度はさまざまで、「週1回、1日だけ吐くという子どももいれば、1時間に6回続けて吐き、それが何日か続くようなケースもあります」。同じような周期で繰り返すことが特徴で、毎年クリスマスに起こす子もいるという。重症化すると体重が減り、元気がなくなることもある。眠り込んでしまったり、頭痛を訴えたりすることもある。
特に注目されているのは、片頭痛との関連だ。「家族に片頭痛の患者がいることや、成人後に片頭痛を発症することが他の子どもよりも多いとされます。片頭痛に関わるセロトニンという体内の情報伝達物質が、周期性嘔吐症にも関係しているとの説が有力です。片頭痛の薬が嘔吐発作に効くこともあります」。ただし、完全には解明されておらず、根本的な原因はよく分かっていない。
◇ほとんどは自然軽快
発作時には、一般的な吐き気止めの薬を飲む。発作が起きないようにするための日常的な薬としては、抗うつ薬、抗てんかん薬、高血圧や心臓病用のベータ遮断薬などがある。予防薬は「副作用のリスクを含め、保護者と話し合ってから」処方している。
嘔吐発作にストレスが関わっていることが明らかな場合、避けることができる場合は保護者に対応してもらっている。しかし、発作のきっかけが明らかでないことも多いという。
疋田院長は「子どもはつらいでしょうし、他の病気の可能性もあるため、漫然と様子を見るのは好ましくありません」と診察を受けることを勧める。その上で、「周期性嘔吐症であれば、ほとんどの子どもは自然に軽快するでしょう」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2025/01/27 05:00)
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