治療・予防 2025/01/10 05:00
毒性植物の誤食に注意
~トリカブトやイヌサフラン(埼玉医科大学病院 上條吉人・臨床中毒センター長)~
狭心症は一般に、冠動脈という太い血管が狭くなっているところに、階段の上り下りなどの運動によって心筋に血液が行き渡らなくなり、発作が起こる「労作(ろうさ)性狭心症」と、スパズムと呼ばれる冠動脈のけいれんに伴う「安静時狭心症」が知られている。だが、これらとは違う、安静時や就寝時に胸痛があるのに、冠動脈に異常が見つからない「微小血管狭心症」もある。静風荘病院(埼玉県新座市)女性内科・女性外来の天野恵子医師にその原因や対処について聞いた。
◇閉経後の胸痛
「原因は、閉経に伴う女性ホルモンのエストロゲンの減少や心身のストレスです」と天野医師は話す。エストロゲンには心血管系の保護作用がある。閉経でそれが失われ、微小血管の収縮高進や拡張不全が起こることがあるという。
◇診断がつけば安心
微小血管狭心症は近年、医師の間では周知が進んできたが、すぐに診断がつかないことも多く、10年間も医療機関を渡り歩く「ドクターショッピング」をした人もいる。天野医師の患者の多くも、診断がついて命に危険がないことを知ると、安心するという。ほとんどの場合、高血圧や狭心症の薬として長く使われているカルシウム拮抗(きっこう)薬などを服用し、「早い人では翌日には胸痛が改善しています」。
日本循環器学会のホームページでは、「循環器領域における性差医療に関するガイドライン」が公開されており、その中には微小血管狭心症の項目もある。
「更年期女性で胸痛がある場合は、労作性狭心症や安静時狭心症だけでなく、微小血管狭心症の可能性も念頭に、医師に相談してください。ガイドラインを持参して医師に相談するのも一つの方法です」と、天野医師はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2017/12/11 15:08)
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