医学生こーたのひよっ子クリニック

第11回 お薬手帳忘れちゃいました

「お薬手帳忘れちゃいました」

診察において最も医療者が困ることの1つとして、「患者さんがお薬手帳を忘れてくること」があげられる。

お薬手帳は患者さんの健康を守る大切な情報源だ。現在処方されている薬と使用期間、薬の副作用歴、アレルギーの有無、既往歴など、診察時に重要な事項がたくさん書かれている。そのため、問診を円滑に進めることができるのはもちろんのこと、飲み合わせによる副作用や処方の重複など、さまざまなリスクを回避することもできる。

お薬手帳を持参することは、患者さんのお財布にも優しい。薬をかかりつけの薬局へもらいに行く際に、お薬手帳を持参すると、一定の条件下で支払いが減るのだ。この制度は意外と知られておらず、総務省のデータでも「薬局でお薬手帳を出せば料金が安くなることを知っていた人は、30.2%」だった。

とはいえ、急な受診など、お薬手帳を持って行けない時もあるだろう。そんなことを解決してくれるのが、電子版のお薬手帳アプリだ。さまざまな団体や企業が、独自のお薬手帳アプリを作成し配信している。スマホをよく使用する人はこれを使うことによって、お薬手帳を常に携帯することができる。

これらのお薬手帳アプリには、アプリごとにさまざまな機能がある。家族全員のデータをまとめて管理できるもの、カレンダー機能により服薬時間や次回受診日を教えてくれるものなど、お薬手帳の枠を超えて、私たちの生活をサポートしてくれる。自分にあった機能があるアプリをダウンロードしてほしい。

このように、お薬手帳は医療者と患者双方にメリットをもたらす。そして国や企業は、医療をより良いものにするために、お薬手帳をなんとか使ってもらおうと、さまざまな取り組みを行っている。医療者と患者の間のやりとりを円滑にするためにも、病院へ行く際には、お薬手帳の持参をぜひともお願いしたい。

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