将来の妊娠・出産を見据えて適切な健康管理を行う「プレコンセプションケア(妊娠前のケア)」の在り方を議論するこども家庭庁の検討会は21日、普及に向けた5カ年計画をまとめた。性や健康に関する正しい知識を広めるサポーター制度を創設し、今後5年間で5万人以上の人材を育成する。ケアに対する若い世代の認知度向上や、相談支援体制の充実も目指す。
 妊娠・出産を巡る課題は多岐にわたる。女性の過度なダイエットで低出生体重児の割合が増えたとみられるほか、妊娠時期を遅らせることで、不妊や周産期リスクの高い妊婦が増加した。予期せぬ妊娠で妊産婦が自殺や児童虐待に至るケースもあり、知識不足から生じる問題は多い。
 将来に子どもを持つことを希望する男女が正しい知識を持って健康管理し、ライフプランを描けるよう、国は、思春期から成人期までの発達段階に応じたケアの普及を図る。
 サポーターは、自治体や企業、教育機関などで、性や健康に関する情報提供や相談に応じる人材。医師や保健師に加え、誰もが研修を修了すればサポーターになれる仕組みをつくる。
 5年後の目標として、若い世代のケアに対する認知度(現在1割以下)や、ケアに取り組む企業(同約30%)をそれぞれ80%とすることを提示。基礎疾患を持つ人が相談できる医療機関数(同約60)を200以上とする目標も掲げた。 (C)時事通信社