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認知症患者抱える医師99%
日本臨床内科医会アンケート

日本臨床内科医会アンケート調査

 医院の内科で、認知症の通院患者を抱える医師がほとんどを占めた―。日本臨床内科医会のアンケート調査で、こんな結果が出た。通院中の患者で認知症を併発している人がいるかどうかを会員の医師に尋ねたところ、99%が「いる」と回答。「いない」はわずか1%にすぎなかった。
 「通院中の患者が認知症ではないか?と気づいたことはあるか」という質問に対しても、99%が「ある」とし、1%が「以前あった」と答えた。

 ◇早期発見は可能

 国が在宅医療を推進していることも背景にあり、かかりつけ医の役割が増している。アンケートでは、「かかりつけ医による認知症の早期発見は可能だと思うか」を聞いた。「大いに思う」が59%、「どちらかといえば可能だと思う」は33%で、肯定派が90%を超えた。「どちらかといえば難しいと思う」7%、「無理だと思う」1%で否定派は10%以下だった。

日本臨床内科医会アンケート調査

 アンケートからは、かかりつけの内科医らが認知症の早期発見を重要な責務だと考えている姿勢が伝わってくる。同時に、アンケートの自由回答からは、実際の診察の現場における注意点や苦労などが浮かび上がった。特に大事なことは家族の役割に注目することだという。自由回答から、医師の実体験を幾つか紹介しよう。

 ◇家族の話を聴く

「同居人が付き添って来た時に、患者の状態に変化がないかどうかを聴く。受診した患者の応答だけではなかなか発見しにくい」

 「家族同伴で通院してもらう。火や水の扱いは大丈夫か。自分できちんと薬を飲めるか。昼夜のリズム、食事をした記憶などを聴くことによって、早期発見はある程度可能かもしれない」

 「本人だけでなく、家族からの情報も必要だ。また、診察室での何気ない会話もヒントになる」

 「高齢者の場合、時々家族から普段の様子を聴くことが重要だ。本人はうすうす気付いていても、自分からは口にしない」

 「常に認知症ではないかという視点を持つ。できれば、家族から本人の様子を聴く」

 「問診時に多少疑いのある場合は、家族に日常の言動や行動に異常がないか聴くようにしている」

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