治療・予防 2024/12/27 05:00
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乳がんの治療は、薬物療法が進歩したことに加えて、乳房再建手術が保険適用になり、選択肢が広がっている。がん研究会有明病院(東京都江東区)乳腺外科の森園英智副部長は「乳がんの治療法は、がんの大きさや広がり具合、性質、遺伝子異常の有無などで一人ひとり異なってきます」と話す。
▽乳房再建、欠点も
一人ひとり治療法が異なる
乳がんは女性で最も多いがんだが、早期に発見できた場合は、がんになった部分とその周辺だけを切除する乳房温存手術か、がんとともに乳房全体を取り除く全摘手術を選択できる。
以前は全額自己負担となる自由診療だった乳房再建手術が2014年から保険適用になったこともあり、がんの再発や新たな発症のリスクを少しでも避けようと、あえて全摘手術を選ぶ患者が増えたという。
しかし、乳房再建手術は乳房を完全に再現できるものではない。温かみや柔らかさに欠け、姿勢に合わせて自然に動くこともない。「最近ではこうしたデメリットも知られるようになり、乳房温存手術を選択する人の割合が増えてきています」と森園副部長。
▽タイプで変わる治療法
乳がんと一口で言っても、女性ホルモンががんの増殖に関わる「ホルモン感受性乳がん」や、HER2というタンパク質が多過ぎるため増殖が活発化する「HER2過剰発現乳がん」など、さまざまなタイプがある。これらの要因がない「トリプルネガティブ」と呼ばれる乳がんもある。
タイプによってリスクは異なるものの、いずれも効果的な薬物療法がある。手術をする前に薬物療法を行って効果があれば、以前なら全摘手術が必要だったケースでも温存手術で済むことも増えつつある。ただ、遺伝子検査で異常が見つかった場合は、再発や新たにがんが発症する可能性が高いため、全摘手術が勧められることが多い。
温存手術を選択できたとしても、術後の検査結果によっては再手術か放射線治療が必要になることもある。森園副部長は「主治医からの説明をよく聞き、治療の選択肢とそれらのリスクを理解した上で、自分の希望と照らし合わせながら、治療方法を主治医と一緒に考えましょう」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/11/25 06:00)
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