治療・予防 2024/12/27 05:00
センチネル外傷
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緑内障の多くは自覚症状がないまま徐々に進行するが、突然発症する場合もある。この「急性緑内障」は中年以降の女性に多い。発症すると視神経が急激にダメージを受けて、失明することもある。東京逓信病院(東京都千代田区)眼科の松元俊部長は「急性緑内障を起こすリスクを抱えていながら気付いていない人は多いはずです。激しい痛みなどの発作が出る前にそうしたリスクを発見することが重要です」と強調する。
突然、激しい目の痛みや頭痛が
▽眼圧が急上昇
眼内は、眼圧を保ち、栄養補給もする房水で満たされている。その房水は、角膜と虹彩(瞳の周りにある膜)の間にある隅角(ぐうかく)と呼ばれる部分を通って排出される。急性緑内障では、隅角がふさがることで眼圧が急上昇し、激しい目の痛みや頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、目の充血などを起こす。
松元部長は「緑内障発作を起こすと、通常10~15mmHgの眼圧が、一気に70~80mmHgぐらいまで上がります」と話す。
発作は夜起きやすい。「夜暗くなると瞳孔が開き虹彩が厚く盛り上がります。ちょうどワイシャツの袖をたくし上げて厚くなるのと同じです。遠視で眼球が小さい人や、加齢などで水晶体の厚みが増している人はもともと房水の通路が狭い上、厚くなった虹彩がさらにスペースを狭めるので、隅角への通り道がふさがりやすくなります」
▽急がれる治療
急性緑内障の治療は直ちに行う必要がある。まず浸透圧の高い薬を点滴して眼圧を下げる。その後、レーザー光線で虹彩に穴を開けバイパスを作り、房水の流れを確保する。効果は高く、発作予防にもなるという。薬を点滴しても眼圧が下がらず視神経へのダメージが大きい場合は、手術が必要になることもある。
急性緑内障は自覚症状を感じやすい。発作前から目が重く圧迫感があったり、「霧視(むし)」といってもやの中を通っているように見えたりすることがある。症状は一時的なので放置する人が多いが、繰り返すうちに突然大きな発作が起きてしまうケースもある。
松元部長は「遠視や自覚症状がある人はもちろん、自覚症状がなくても40歳を越えたら年に一度は眼科で検査を受けてください」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/01/20 06:00)
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