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残業や夜勤などのとき、眠気予防や気分転換にカフェインを含むコーヒーや栄養ドリンクを飲む人は多いだろう。しかし、カフェインを過剰に摂取すると急性の中毒症状を起こすことがある。健康な成人の場合、健康リスクが増大しない1日のカフェイン摂取量は400ミリグラム以下とされる。
いつの間にか取り過ぎも。十分気を付けて
▽飲料や薬にも含有
カフェインには中枢神経系を興奮させて眠気を払う作用や、疲労感を軽減させる作用がある。通常、摂取後30分ほどで、その効果が表れる。
コーヒーの場合、レギュラー、インスタントの別なく、マグカップ1杯(237cc)に100~150ミリグラムのカフェインが含まれている。一般的な栄養ドリンクでは1本に50ミリグラム、エナジードリンクには80~150ミリグラム、眠気防止薬には1回量につき100~160ミリグラムが含まれる。風邪薬や鎮痛薬にもカフェイン配合のものがある。
関西医科大学総合医療センター(大阪府守口市)の寺嶋慎也医師は「カフェインを取ると、体内で代謝され血中濃度の値が半減するまで4~6時間かかります。その間に、さらにカフェインを摂取し続けると、重篤な急性の中毒症状が表れることがあります」と説明する。
中毒症状には、頭痛や吐き気、心拍数の増加、不安感、不眠、下痢、手足の震えなどがあり、嘔吐(おうと)や意識障害を起こすこともある。
▽少量でもリスクに
同大学付属病院高度救命救急センターでは、2006~10年には急性カフェイン中毒による搬送はなかったが、11年~17年には5件の搬送があったという。いずれも意図的な過剰摂取によるもので、寺嶋医師は「薬局やインターネットなどの通信販売で、カフェインを含む眠気防止薬を容易に購入できることが背景にあるのではないか」と指摘する。
日中、エナジードリンクやコーヒーを飲みながら仕事をして、夜に眠気防止薬を飲み、頭痛や肩凝りがつらく鎮痛薬をよく利用するといった人は、カフェイン中毒のリスクが高い。体重や年齢、体調によっては、少ない量でも中毒症状が表れる。
寺嶋医師は「カフェインの効果には個人差があります。大量に取ると心身に悪影響を及ぼすことは間違いありません。中毒症状の存在を認識し、自身の1日の摂取量を把握してください。中毒症状が疑われる場合、症状が治まるまで安静を保ち、なかなか治まらず不快感が強いようなら医療機関を受診してください」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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