にきび(尋常性痤瘡)〔にきび(じんじょうせいざそう)〕

 思春期の男女ともに多いもので、多くは22~23歳までには自然に治るものとされていましたが、最近では女性で30歳すぎまで続く人が多くなったといわれています。女性の間にメーキャップ用化粧品、特にファンデーションの使用によるものといわれています。そのため“化粧品痤瘡”の名も使われています。

 これに対して思春期のものは、“若年性痤瘡”として区別されています。この時期に一致して脂腺(しせん)のはたらきがさかんになるために、皮膚が脂性にかたむいてできるものです。

[症状]
 まず、はじめは毛口の角質が厚くなって、毛包(もうほう)に角質と皮脂がつまって毛口を中心に皮膚がふくれ、その中心に黒い点が見えます。押し出すと、黄白色の脂肪の柱が出てきます。その上は黒くなっています。これは外から黒く見えた部分で、外のよごれで黒くなった脂肪の部分です。これは“コメド”(面疱〈めんぽう〉)と呼ばれています。しかし、このとき皮膚は赤くなっていません。
 次にそれを中心に皮膚がふくれて、赤みをおびるとともに大きくなってきます(丘疹〈きゅうしん〉)。これは細菌感染を併発しやすく、だんだん赤みが強く、痛みが加わるとともに、その中心部がうんで黄色になってきます。破るとうみが出てきます(膿疱〈のうほう〉)。多くは黄色ブドウ球菌感染によります。
 この膿疱が破れて治ると、あとにひろがった毛口を残します(痤瘡瘢痕〈はんこん〉)。黒茶色のあとを残すこともあります。にきびではこれらの皮膚変化が同時にみられるので、目についてみえるのです。
 男子のにきびは女子の場合より重く、女子では月経前に、まれに排卵期、月経後にわるくなりがちです。特に24~25歳以後のにきびに、この傾向が目立ちます(月経前増悪〈ぞうあく〉型にきび)。また、月経不順、月経障害をもつ人に多く、季節的には夏に悪化する人が多いのですが、春さきにわるくなることもあります。

[原因]
 男性ホルモン過剰、特に体内の女性ホルモンに対する男性ホルモンの量の比が高いことが、にきびの原因と考えられてきました。
 これに加えて、胃腸障害、貧血、甲状腺機能障害、睡眠不足、細菌感染、精神的不安、外的刺激(毛髪の接触)などが、にきびの経過に影響を与えるものと考えられます。そして、これらの因子のうち、どれがおもなはたらきをしているかは、個人個人で異なっているため、それぞれの条件に応じた適切な治療を組み合わせることが大切です。
 また、にきびの治療をしてもなかなか治らず、うみをもったにきびがふえてくることがあります。こういう場合はニキビダニが毛穴にふえています。顕微鏡でニキビダニを確認します。イオウカンフルローションなどで治療します。

[予防]
 にきびは完全に予防することはできません。しかし、脂性(あぶらしょう)にならないようにつとめれば、悪化を防ぐことができます。それには、次のようにします。
 1.せっけんによる洗顔を十分にします。クリーム洗顔、油性クリームの使用は避けます。
 2.洗髪を十分にします。ふけ性の人の顔は脂性のことが多いです。
 3.便通をよくします。
 4.食物に注意します。チョコレート、コーヒー、生クリーム、チーズ、バター、豚肉、ハム、ベーコン、てんぷら、くるみ、白桃など糖分の多いものは避けます。
 5.精神的安定を保ちます。
 また、にきびは短期間に治るものではないので、両親やまわりの人々が、根気よく手当てを続けるようにはげますことが大切です。

[治療]
 にきびは短期間に根治させることはむずかしく、一定の年齢になるまでは(それは人により違いますが)、できたものを治しても、すこしずつ新しいものができます。そこで、にきびの治療は、このあとが残らないようにすることだと考えるべきです。
 1.外用薬としてはビタミンA酸含有軟膏、過酸化ベンゾイル軟膏、抗生物質軟膏(なんこう)・ローション、イオウローションを使います。
 2.テトラサイクリン系抗生物質を中心とした内服治療も広くおこなわれています。
 3.ビタミンA・B2・B6の内服。
 4.コメドは、コメド圧出器で除くことができます。爪でつぶすとあとが残るので、これはやめなければなりません。
 大切なことは、皮膚科医と相談し、生活習慣を改善してにきび発生を予防しながら根気よく治療することです。
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