瘢痕・ケロイドの原因・症状 家庭の医学

 手術や外傷・熱傷による傷が治ったあと、1~2カ月は炎症を伴うため、傷あと(瘢痕〈はんこん〉)は赤くかたいのがふつうですが、3~6カ月たつと瘢痕は白くやわらかくなります。
 肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドは、2~3カ月を過ぎても、瘢痕の赤さや硬さがとれず、盛り上がってくる傷あとのことです。両者を完全に区別することは難しいですが、一般的にケロイドのほうが赤さや盛り上がりが強く、かゆみ・痛みなどの自覚症状を伴います。瘢痕が肘(ひじ)・手指などの関節部にできた場合は、瘢痕拘縮(こうしゅく:ひきつれ)を起こすこともあります。
 傷がきれいに治るかどうかは、はじめの傷の程度や治療方法によります。すなわち、深い傷や感染などを起こした傷の場合などは、肥厚性瘢痕やケロイドになりやすいといわれています。また、胸部・腹部の中心線、肩、耳垂(じすい:耳たぶ)などがなりやすく、近年では耳のピアスによる患者さんがふえています。

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)
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