傷病者を発見したら、まずは安全確認を

 倒れている人(傷病者)をみかけたら、まずはまわりの安全を確認します。上からモノが落ちてきて倒れたのかもしれません。道路わきに倒れている人をみかけて、駆け寄ろうとしたら車にはねられた――ということにならないようにしましょう。
・気をつけること
 自分の危険をかえりみず、その場に飛び込んでいくのには十分注意を。はた目にはカッコ悪くても、安全確認が最優先です。

■意識のある・なしを見る(反応の確認)
 安全が確認されたら、やさしく肩をたたきながら大きな声で、「もしもし」「大丈夫ですか?」などと呼びかけます。知人なら名前を呼びかけましょう。返答がある、目を開ける、なんらかの意識が感じられる仕草をみせる、などの反応が認められない場合は、「反応(意識)がない」と判断します。
 心停止した直後にけいれんすることがありますが、これは不自然な意図を感じられない体動なので、意識があると勘違いしないよう気をつけてください。
・気をつけること
 肩をあまり激しく揺すったりしないように。外傷が原因の場合は、頸椎(けいつい=くびの骨)に損傷を受けていて悪化させることがあります。

■助けを呼ぶ(周囲の注意を喚起する)
 傷病者に反応がなければ、「だれか来てください」などとすぐに大声で叫んで、助けを呼びます。
■119番に通報してAEDの手配をする
 知人がいれば知人に、いなければ近くにいる人に119番に通報するように頼みます。また、近くにAED(automated external defibrillator:自動体外式除細動器)がある場合は、持ってくるように頼みましょう。知らない人に頼む場合は、「青い服の、あなた!」と指名すれば、時間のむだを省けます。「あなたは、119番通報」「あなたは、AEDを」と明確に依頼するのもよいでしょう。また、「119番に連絡したら、ここに戻ってください」と付け加えると、連絡がついたかどうかの確認ができ、その後の救助活動を手伝ってもらうことができます(参照:救命の連鎖)。
 近くに人がいないときは、119番通報とAEDの手配をバイスタンダー(救急現場に居合わせた人)自身がおこなわなければなりません。電話がないときは、傷病者のそばから離れても119番通報をします。付近にAEDがあることがわかっている場合は、とりに行きます。
・気をつけること
 自分しかいない状況であっても、とるべき行動は心肺蘇生よりも、119番通報と近くにある場合はAEDを持ってくることを最優先します。救急車を呼んだあとで、倒れていた人が意識もあり心肺停止状態ではなかった、ということもあります。この場合、救急車の到着後、救急救命士に対応を判断してもらいます。
 けっして大げさにしてしまったなどと思わず、結果として大事にいたらずによかった、と考えてください。

(執筆・監修:医療法人財団健和会 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問 箕輪 良行)