梅毒血清反応

■梅毒の感染
 梅毒は、梅毒トレポネーマの感染によって起こる、重要な性感染症(STD、近年はSTIという名称が使われています)です。性行為によって感染しますが、母親から胎児に母体内感染して先天梅毒を起こすこともあります。
 STS法(ガラス板法、凝集法)でリン脂質(カルジオリピン)に対する抗体を、TPHA法で梅毒トレポネーマに対する抗体の存在を確認します。STS法陽性、TPHA法陽性の場合が現在も感染ありで、STS法陽性、TPHA法陰性の場合には生物学的偽陽性(膠原〈こうげん〉)病や妊娠などで起こる可能性があります。梅毒を治療するとSTS法では陰性となり、TPHA法は陽性のまま残ります。感染していても感染後4週間以内では両法とも陰性を示すので注意が必要です。

■基準値:陰性(-)

(執筆・監修:国際医療福祉大学大学院 臨床医学 教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)

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