梅毒〔ばいどく〕

 スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)の感染によって起こる感染症で、性行為によって感染する性感染症として世界中にひろがっています。日本では1987年をピークとして報告が減少し、1999~2012年は500~900例で推移してきましたが、2013年は1200例を超え、前年の1.4倍に増加しており、その後も増加傾向にあるため注意が必要です。それに伴い、先天梅毒の症例も増加しつつあります。
 感染後3~6週間程度の潜伏期を経て、時間をおってさまざまな臨床症状が逐次出現します。その間、症状が軽快する時期があることが治療開始の遅れにつながる場合があります。

 Ⅰ期梅毒…感染局所に初期硬結(こうけつ)や硬性下疳(こうせいげかん)、無痛性の鼠径(そけい)部リンパ節腫脹がみられます。
 Ⅱ期梅毒…感染後3カ月を経過すると皮膚や粘膜に梅毒性バラ疹や丘疹性梅毒疹、扁平コンジローマなどの特有な発疹(ほっしん)がみられるようになります。
 晩期顕症梅毒…感染後3年以上を経過すると、ゴム腫、梅毒によると考えられる心血管症状、神経症状、眼症状などがみとめられることがあります。なお、感染していても臨床症状がみとめられない場合もあります。
 先天梅毒…梅毒に罹患している母体から胎盤を通じて胎児に伝播される多臓器感染症で、出生時は無症状で身体所見は正常な児が約3分の2ですが、生後まもなく水疱(すいほう)性発疹、斑状発疹、丘疹状の皮膚病変に加え、鼻閉、全身性リンパ節腫脹、肝脾(ひ)腫、骨軟骨炎、などの症状がみとめられるようになります。

 診断は発疹(初期硬結、硬性下疳、扁平コンジローマ、粘膜疹)からの病原体の検出、梅毒血清反応によりおこないます。
 治療にはペニシリンが有効です。

【参照】性感染症:梅毒(硬性下疳)
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