ヘリコバクター・ピロリ 家庭の医学

■ヘリコバクター・ピロリ感染
 ヘリコバクター・ピロリは胃粘膜に生息して胃炎や胃潰瘍(かいよう)を起こすと考えられている菌ですが、感染者は年齢とともに増加し、50歳以上では70%以上と推測されています(ヘリコバクター・ピロリ感染症)。
 感染しても無症状のことも多くありますが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の90%以上で陽性を示し、除菌することで潰瘍の再発が防止できます。ヘリコバクター・ピロリ感染の有無は内視鏡時の鏡検法、培養法、血清の抗体測定法、便中抗原検出法で調べるほか、尿素呼気試験(13Cで標識した尿素を服用し、ヘリコバクター・ピロリで分解されて出てくる呼気中の標識された二酸化炭素を測定)などが使われています。

■基準値:陰性(-)

(執筆・監修:国際医療福祉大学医学部 主任教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)