歯の外傷
転倒や事故によって歯に無理な力がかかった場合、歯が欠けたり、折れたり(歯の破折〈はせつ〉)、歯が抜けたり(歯の脱臼〈だっきゅう〉)することがあります。
■歯が欠けた場合(歯冠破折)
歯の欠けた部分が小さければ、レジンやセメントという材料を使ってう蝕の治療と同じ方法で治療します。欠けた部分が大きく、歯の神経が露出してしまったときは歯髄(しずい)の処置が必要となり、場合によっては神経をとる(抜髄)ことがあります。折れた部分があればそれを歯科用の接着剤でつけられることもありますが、大きく欠けた部分は人工物で歯全体をおおう必要があります。
■歯根が折れた場合(歯根破折)
歯がゆれているときは、歯根の部分で折れている場合があります。歯科などでX線写真などにより確認します。できるだけ早く、折れた部分をもとに戻し一定の期間固定することで、歯を残せる可能性があります。ただし、多くの場合その歯を抜かなくてはならなくなります。
■歯の脱臼
歯に無理な力がかかったために完全に抜けてしまった場合(完全脱臼)と、歯がゆるんでいる場合(不完全脱臼、亜脱臼)があります。歯が完全脱臼して抜けてしまった場合は、その歯をもって、できるだけ早く歯科を受診することが重要です。歯根の表面には歯根膜という組織の一部がついていますが、この歯根膜が生きているかどうかが、抜けた歯をもとに戻した(再植)あと、歯がきちんと生着するかどうかを左右します。
歯科をすぐに受診できない場合の抜けた歯の緊急的な保存法は、①歯を口の中(くちびると歯ぐきの間など)に入れる(ただし、飲み込まないように気をつける)、②牛乳に浸す、などの方法をとります。幼稚園や学校などによっては「歯の保存液」を常備しているところもあります。いずれにしても、できるだけ歯根膜にダメージを加えず、早く処置を受けることが重要です。
歯をもとに戻したあとは一定の期間、固定装置でその歯を安静に保ち、歯の神経(歯髄)が生きているかどうかを確認し、必要があれば歯髄の処置をします。まだ歯根が完全にできあがっていない歯の場合は、歯髄が回復する可能性が高いといわれています。
歯をもとに戻したあとの経過としては、条件によって比較的早い時期にとれてしまう場合、数年間はもつ場合(歯根が骨と癒着した場合)、正常な歯とほとんど同じ状態に回復する場合があります。歯の不完全脱臼(亜脱臼)の場合は一定期間の固定をおこない、経過をみていきます。
外傷を受けた歯などで、歯髄を取り除いた歯や歯髄が死んでしまった歯(さし歯など人工物で補修した場合は除きます)では、その後しだいに歯の色が変わってくることがあります。このようなときは歯髄の処置をおこなったうえで、歯の漂白をして歯の色をもとに戻せる場合もあります。ただし、永久的に色を維持できるわけではありません。
■歯が欠けた場合(歯冠破折)
歯の欠けた部分が小さければ、レジンやセメントという材料を使ってう蝕の治療と同じ方法で治療します。欠けた部分が大きく、歯の神経が露出してしまったときは歯髄(しずい)の処置が必要となり、場合によっては神経をとる(抜髄)ことがあります。折れた部分があればそれを歯科用の接着剤でつけられることもありますが、大きく欠けた部分は人工物で歯全体をおおう必要があります。
■歯根が折れた場合(歯根破折)
歯がゆれているときは、歯根の部分で折れている場合があります。歯科などでX線写真などにより確認します。できるだけ早く、折れた部分をもとに戻し一定の期間固定することで、歯を残せる可能性があります。ただし、多くの場合その歯を抜かなくてはならなくなります。
■歯の脱臼
歯に無理な力がかかったために完全に抜けてしまった場合(完全脱臼)と、歯がゆるんでいる場合(不完全脱臼、亜脱臼)があります。歯が完全脱臼して抜けてしまった場合は、その歯をもって、できるだけ早く歯科を受診することが重要です。歯根の表面には歯根膜という組織の一部がついていますが、この歯根膜が生きているかどうかが、抜けた歯をもとに戻した(再植)あと、歯がきちんと生着するかどうかを左右します。
歯科をすぐに受診できない場合の抜けた歯の緊急的な保存法は、①歯を口の中(くちびると歯ぐきの間など)に入れる(ただし、飲み込まないように気をつける)、②牛乳に浸す、などの方法をとります。幼稚園や学校などによっては「歯の保存液」を常備しているところもあります。いずれにしても、できるだけ歯根膜にダメージを加えず、早く処置を受けることが重要です。
歯をもとに戻したあとは一定の期間、固定装置でその歯を安静に保ち、歯の神経(歯髄)が生きているかどうかを確認し、必要があれば歯髄の処置をします。まだ歯根が完全にできあがっていない歯の場合は、歯髄が回復する可能性が高いといわれています。
歯をもとに戻したあとの経過としては、条件によって比較的早い時期にとれてしまう場合、数年間はもつ場合(歯根が骨と癒着した場合)、正常な歯とほとんど同じ状態に回復する場合があります。歯の不完全脱臼(亜脱臼)の場合は一定期間の固定をおこない、経過をみていきます。
外傷を受けた歯などで、歯髄を取り除いた歯や歯髄が死んでしまった歯(さし歯など人工物で補修した場合は除きます)では、その後しだいに歯の色が変わってくることがあります。このようなときは歯髄の処置をおこなったうえで、歯の漂白をして歯の色をもとに戻せる場合もあります。ただし、永久的に色を維持できるわけではありません。
(執筆・監修:東京大学 名誉教授/JR東京総合病院 名誉院長 髙戸 毅)
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