皮膚表面外科

 皮膚表面外科とは、メス以外の方法によって皮膚の表面を浅くはがす治療です。母斑(ぼはん)・血管腫やしみなど、浅い皮膚疾患に対して用いられます。また、顔面のしわ・たるみに対する若返り治療として用いられています。

■レーザー治療
 レーザーのもつ熱作用を応用して、皮膚の異常な色素を破壊します。母斑・血管腫などの色素疾患のほかに、近年では脱毛やしわ・たるみの治療にも利用されています。炭酸ガスレーザーやQスイッチ・ルビーレーザーなど、いろいろな機種があります。レーザー光の性質や照射範囲が異なるため、疾患によって使い分けます。

■ケミカルピーリング
 皮膚に化学薬品を塗って、炎症反応によって皮膚の再生をうながす治療です。グリコール酸、サリチル酸などが用いられます。しみなどの色素性病変やしわ・たるみ治療などに用いられます。

■電気外科治療・液体窒素
 小さい皮膚腫瘍に対して、電気メスを応用した電気外科治療や、液体窒素による凍結療法が用いられます。

■最近の機器
 超音波やマイクロ波を応用した新しい医療機器(HIFU:ハイフなど)が、しわ・たるみ治療や腋窩(えきか)多汗症に使用されています。

(執筆・監修:埼玉医科大学 教授〔形成外科・美容外科〕 時岡 一幸)
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