イタイイタイ病とカドミウム
昭和30年代(1955~1964年)に、富山県神通川流域で多発性の骨折のため激痛で苦しむ高齢女性が多いことが報告されました。原因は三井金属鉱業神岡工業所から排出されたカドミウムで、それにより汚染された神通川水系の用水を介して、水田の土壌や井戸水が汚染されました。
カドミウムは腎臓機能を障害するため、体内のリンやカルシウムが尿中に排出されてしまい、特に戦前戦中の低栄養と妊娠・授乳などでカルシウムが不足しがちだった女性に多発したものと思われます。
カドミウムは腎臓機能を障害するため、体内のリンやカルシウムが尿中に排出されてしまい、特に戦前戦中の低栄養と妊娠・授乳などでカルシウムが不足しがちだった女性に多発したものと思われます。
(執筆・監修:帝京大学 名誉教授〔公衆衛生学〕 矢野 栄二)